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手書きの「手紙」の持つ力
みなさん、「手紙」書いてますか?
メールでもなく、LINEでもなく、
メッセンジャーでもなく、
手紙。そう、ペンと紙を用意して。
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私は小さい頃、レターセットを買うことが好きだった。あれは、女の子しか買わないものなのかな?
お店に行くと、たいてい可愛くておしゃれな柄が多くて、たまにシンプルな大人 な感じのもある。
レターセットを買う時点では、誰にいつ書くのかもわからないのに、なぜか買って沢山コレクションしてたのは、
やっぱり手紙を書くことが好きだから
なんだうな。
「好きなことは何ですか?」って聞かれて、
「手紙を書くことです!」って突然言ったら、
きっとひかれる。
でも、あまりわざわざ筆を取って手紙を書く人が少なくなってきている時代だからこそ、「手紙を書くことが好き」なのは、自分の個性の一つにしていこうと思った。
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手紙を書くことって、
相手のことを想って、
レターセットの柄を選んで、
書きやすいボールペンを用意するところから始まる。
私は、一枚の便箋に向かって、ペンを構え、
書き始める瞬間が好きだ。興奮する。
もう、書きたいことが溢れだし、まるで相手に話しているかのように、ペン先を滑らせていく。
なんだかニヤッてしてしまう。
この感覚って、
同じ文章をLINEとか、携帯の画面に向かって、指をパチパチしている感覚と全然違うんです。
想いが、ぶぁぁぁぁぁって溢れ出してそのまま書ける感じ。きっと、携帯の画面だと、想いの溢れ出しが一度水道管に圧縮されて、整えられてからパイプを流れる感じなんだと思う。
きっと手紙を書いたことがある人ならわかってくれるはず。この抽象的な感覚。
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手紙って、書く側ももちろんこうして興奮して心のままに書いているから“幸せ”なんだけど、
そんなに想いが込もっているものだからこそ、受け取ってくれた側もきっと“幸せ”なはず。
嫌なこと、嫌な思いを、
人はわざわざ手書きにしないと思うから。
実際、私も今までたくさんの手紙をもらって、
思わず涙を流してせっかくの手紙に涙をポトッとしてしまったり、思わずくすっとしてしまったり、相手の筆跡を見て、顔を思い出したり、いろんな感情を感じたけれど、それはどれも“幸せ”だった。
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最近の出来事で言えば、
教育実習で毎日めちゃめちゃしんどくて、
同時に就活の面接にも落ちて、何もかもうまくいかなくて、つらかった時、
教え子の一人が最終日に手紙を書いてきてくれた。
きちっと封筒に糊付けもして。
ぴらぴらっと糊付けをはがす。
そしてそっと、わくわくと少しの緊張をしながら、手紙を取り出す。
そして、
えみちゃんへ♥️
…………
この“○○へ ”という表現。
普段なかなか使わない。
メールだと、“○○様”。
LINEだと、わざわざ言うことは少ない。
なんだか嬉しくなる。“○○へ”。
そして、半ばらへんに書いてくれたこの言葉。
まだまだ一緒にいたいし、
中学校の先生になってほしいけれど、
えみちゃんにこれからの未来は決めてほしいな。
この文を読んだ瞬間涙があふれた。
しばらく手紙を閉じるほど、泣いた。
中学1年生の可愛らしい、そして丁寧で、心のこもった直筆でこんなこと書かれたら、泣きます。
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まだ携帯を持っていなかった頃、
ふと思い出せば、みんなよく手紙を書いていたと思う。携帯を持つようになってからも、学校内では使用禁止だったから、授業中にたくさん書いた(笑)。
先生の話を聞きながらも、仲良しの友達にこっそりとメモ帳に書いて回してもらったり。書いた内容は特に覚えてないけれど、きっとどうしてもその時間に伝えたかったんだろうな。(今だから言える話。)
タイムカプセルもやったなぁ。
仲良しの子、先生、隣のクラスの子、好きな先輩。
たっくさんメモ帳を持って行って、書いてもらった。
未来の私へ。
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手紙は、単なる紙 じゃない。
そこには、書く人の想い、筆圧、ペンのインク、手汗、たくさんのモノが詰まっている。
だから、宝物なんだよね。
たまに読み返して、一枚の紙 からいろんなことを思い出す。
LINEのトークでも、もちろん手紙は書ける。
でも、携帯が突然壊れてしまったら、消えてしまうんだ。だから、LINE上でもらった手紙はなるべくスクリーンショットにして画像として残しているし、
私はなるべく手書きの「手紙」を書くように心がけている。想いをたっぷり込めて、プレゼントしたいから。
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手紙文化、なくならないでほしいな。
少なくとも、私はおばあちゃんになって、手が震えるようになっても、手がなくならない限り、できるだけたくさん「手紙」を書いていきたい。
その「手紙」が、
私が教え子からパワーをもらえたように、
相手にとって、支えやパワーになれたらいいな。