フリーライターになると決めた日
少し前、フリーライターとして活動することを決めた。
フリーライターになることは、ライターを始めた2018年からぼんやりと夢見ていたこと。
取材をして、自分の言葉でなにかを伝える人たちをみて、「いつかあんなふうになりたい」とずっと憧れていた。
でも心のどこかで「わたしにできっこない」と決めつけて、独立への気持ちは自分でも見えないどこかに隠れてしまった。結局何がやりたいのか分からなくなり、何をしても中途半端な自分がつきまとう。
そんな中、独立を考えるようになったきっかけがある。
それは彼からの一つの質問。
何気ない会話の中で、彼はわたしに聞いた。
「お金とか環境とか経歴とか考えずになんでもできるとしたら、どうしたい?」
なんでもできるとしたら……。
唐突な質問だったけれど、わたしの口は自然と動いていた。
まるでくしゃくしゃに丸まっていた心が広げられたように。
「今の仕事を辞めて、もっとライターの仕事をやってみたい」
ずっと心の奥底にあったけれど、言葉にするのをためらっていた気持ち。
「じゃあ、そうしたらいいじゃん」
彼は明るくも暗くもない落ち着いたトーンで、そうすることがごく自然であるかのように話してくれた。
それまでは、仕事を辞めてやりたいことを追いかけるのは、現実的に無理だと思っていて。
安定した収入が得られなくなったら。
頑張っても成果を出せなかったら。
できない理由を探して、ほんとうの気持ちをしまい込む。そうやっていつの間にか、自分で自分にブレーキをかけてしまっていたようだ。
わたしにかかっていたブレーキは、新しい場所に飛び出す怖さと、今の仕事を続けていることからくる安心感。自分の考える狭い“ふつう”からはみ出るのが怖くて、安全な場所から飛び出すことをずっとためらっていた。
保健師の仕事もやりたいことのひとつには変わらないのだけど、考えるとわくわくして、心からやってみたい!と気持ちが溢れるのは、ライターの仕事。両立できたらいいんだろうけど、わたしには難しくて。両立が下手だからこそ、自分の持っている力と時間を文章を書くことに注ぎたいと、改めて思う。
何気ない会話だったけれど、この時をきっかけにじっくり自分と向き合って、独立するために必要なことをたくさん調べて、ようやく決意ができた。開業届を出すのははもう少し先だから、ちょっとずつ準備も進めていく。
これからどうなるか想像もできないけれど、自分で選んだ道を歩くのは、やっぱり楽しいなあと思う。なんだか身軽になった気もする。それでも不安な気持ちは消えなくて、宣言するためにもこのnoteを書いた。やります!と宣言しないと、途中で怖くて逃げてしまいそうな自分のために。
これからも行き詰まったら、何度も心を広げてみよう。スローペースだし、失敗することもあるだろうけど、地道に一歩一歩進むのみ。
最後まで読んでくださり、とても嬉しいです!ありがとうございます。