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謎解き・バナナフィッシュにうってつけの日06「ニュー・ヘイブン」


dig フカボリスト。口がわるい。


e-minor 当ブログ管理人eminusの別人格。


☆☆☆☆☆☆☆


 どうもe-minorです。


 digだよ。


 このところ古井由吉さんのものをあれこれ読み返してたんで、なかなか「バナナフィッシュ」の世界に戻りづらいんだけど。


 通底しているところもあるけど、やっぱ、まるっきりの別物だからなあ。文体から何から。


 文学という器の巨(おお)きさってものを感じざるを得ないね。サリンジャーもいれば古井さんもいる。カフカもいればダンテもいる。ボブ・ディランが大江健三郎と肩を並べてたり(笑)。


 器ってよりも、茫漠として底の知れん何かだな。ひとつの「場所」というべきか。いやむしろ磁場か。


 なんの因果かわれわれも、その磁場に引き寄せられて踏み迷ってるわけかな、延々と。


 そういうことかもな。


 シーモアとシビルが手をつないで歩きだし、海へと向かうところからだった。「君も往時はバナナフィッシュをたくさん見てきたろうねえ。」と、年端もいかない女の子にむかって奇妙なことをシーモアがいう。これは、深層のレベルで彼がシビルを同格とみている証左である。それがdigの解釈だったね。


 そう。なにしろシビルは「神託を告げる者」であり「導き手」でもあるわけだからな。

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1,442字
全13回にて完結しています。

サリンジャーの短編「バナナフィッシュにうってつけの日」の謎を対話形式で解読。

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