本紹介<15>読書感想文「13歳からのアート思考」
先日の記事で「10年後、君に仕事はあるのか?」の本の紹介の中で、「情報編集力」という、答えが複数あるもの、または答えがないものに対して解決をする力について書きました。まさにその力を強化するために必要なのは、「アート思考」だと思い、今日は「13歳からのアート思考」をご紹介します。
1.あらすじ/アート×自由
アート思考とは「自分なりのものの見方・考え方」であり、激動する複雑な現実世界を生き抜く力と定義されており、松永氏の授業を受けている感覚で本が進んでいきます。アート思考を身につけるために、どのような鑑賞の方法があるのかを、美術界の有名な作品の紹介やその作品が与えた影響を知ることで紐解いていきます。
2.アート作品の「見方」/絵とのやりとり
CLASS3に書かれた「松林図屏風」の前に座ると、なにが起こるのか、のページがとても印象に残っています。
まるで自分がこの風景の中に入ったかのような感覚に襲われます。ひんやりとした空気が身体を包みます。これは深い森でしょうか。息を吸い込むと、土や苔の湿った匂い。どこかで、鳥の鳴き声もします。木々のあいだから光が差し、松の緑が鮮やかに輝きはじめます・・・
上記のように末永氏が「私の鑑賞」と紹介されています。ここが印象に残ったのは、私も同様に鑑賞した経験があるからだと思います。
この本を読むと、私はどちらかと言えば鑑賞に「正解」を求めてしまう、アート思考ではない人間だったと知り、残念な思いでした。
しかし、モネの絵を鑑賞する時には、モネが昼間の庭で絵を描いている場に居合わせたような、太陽の中で鑑賞をしている気持ちになります。
モネを題材とした原田マハ氏の小説を読んだことがあるので、絵と会話をするように鑑賞体験をしたことで、松永氏の鑑賞法に共感したのだと思います。
この本にあるように、絵とやりとりをして、絵に入り込んでしまう鑑賞体験をしたい、と思えるページです。
3.アーティストの定義/人にしかできないことはなにか?
「アーティスト」は、目に見える作品を生み出す過程で、次の3つのことをしています。①「自分だけのものの見方」で世界を見つめ、②「自分なりの答え」を生み出し、③それによって「新たな問い」を生出す
このような思考プロセスで、「自分だけの視点」を見出し、「自分なりの答え」を作り出す方法と書かれています。
カメラが世の中に出てきた際に、「アートにしかできないことはなにか?」とアーティストが模索した事が本に出てきた際に感じたことがあります。
まさにAIの進化で人の仕事がロボットに変わっていく世の中で、「人にしかできないことはなにか?」と、今は模索する時期なのではないか、と感じました。
様々な答えがある問題の前では、興味・好奇心・疑問を働かせて、自分なりの答えを探し出し、その答えを温かな感情の伝わる言葉での伝達は人間しかできないことではないか、と。
私は人にしかできないことを、やっていけるだろうか?
noteを書く中で、優しい言葉を使い、温かい感情を伝え、ロボットではかけない文章を書ける、アート思考の人間に少しでも近づきたいと思った一冊でした。
今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました!
Emi
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