436.「岩手の旅のお話会」 ~水を編む~
大橋和さんに、岩手の旅のお話会をしていただきます。
場所は、岩手の旅をオーガナイズしてくださった、梅村和美さんの京都・七条にあるサロンです。
岩手の旅のはじまりとなるヴィジョンが訪れた場所です。
9月24日(日)開催です。
タイトルも、時間も、なにもかもが、これからです(^^)
決まりましたら、お知らせします。
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(岩手の旅のお話会を、していただきたい)
5月の終わりに、フェイスブックに投稿された岩手の旅の写真を観たときに、感じたものは……
〈海 山 空 森 幹 枝 葉 草 土 花 道 鳥居 木漏れ日 氣 水 人〉
(訪れたこともない地なのに、その入り口にいる)
(なつかしいような)
(よく知っているような)
(まわりには、だれもいない)
(道は続いているのに)
(入れない)
(中に入りたい)
(向こう側に、行きたい)
(この気持ちは、なんだろう)
そう願ったのが、旅のことを話していただきたいと思ったきっかけです。
向こう側とは?
向こう側に、行きたい、とは?
(その前で、動けなくなる写真には、問いがある)
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「行ってないから、得られるものがあります」と言ってくださった、和さんの言葉に、はっとします。
旅の写真は、訪れた人が心を動かされた瞬間、瞬間、瞬間。
アルバムは、その高鳴りの連続です。
(エッセンスだけがちりばめられている)
(視界一面にひろがる天空の贈り物も)
(小さな花弁の中のひそやかなミラクルも)
(高い振動の連続に、共鳴が止まらない)
岩手の写真から、感じていたのは、
(見えるものと見えないものの不思議な融合。共存)
(ひとびとと、かみさまの存在)
心を惹かれた、いくつもの写真の中に、「山神」様のレリーフがあります。
山神様の足は木の幹で、足の裏には年輪のような渦があり、「3本の筋」が刻まれた和斧を携えています。
斧に刻まれている「3本の筋」は、「ミキ(神酒)」を表し、裏面に刻まれている「4本の筋」は、「ヨキ(「四気」:太陽・土・水・空気(木を育てる気)または、「四大」:地水火風 からの恵み)を表し、斧の両面で、深い山の中では用意することができない、山神様への供物を表しています。
その斧を、これから伐る木に立てかけ、いのちを使わせてもらうこと感謝と伐採の許可、作業の安全を祈願するということを、法隆寺専属の宮大工であった西田常一氏の『木に学べ』という本で読みました。
山神様のレリーフを見たとき、その地に住まうひとの中に、そのことが今も息づいていることがわかって、胸がいっぱいになります。
(その土地に根差す、見えないものと見えるもの、いにしえと現在、神様や精霊と人々、神話と生活、水といのちが、継がれながら、共存している)
(先人の叡智への畏敬、感謝、語らい、交歓、喜怒哀楽)
それらが、時空や次元を超えて、ふいにつながる切れ目やポケットとなって、見えていたものが消え、見えなかったものが浮かび上がり、現と幻が入れ混じっている場所と時間に、いざなわれます。
(見えないものと見えるものは、同時に存在している)
(その感覚は、〈水を編む〉)
滔々と流れてくる水の流れに、両腕を差しいれ、くぐらせ、たぐりよせ、すくいとり、交差して…… 手ごたえは、あるようでなく、できあがりも目に見えず、だけど、たしかに、伝わってくる感覚。
(水を編む)
大橋和さんと、旅のお話会の企画について、はじめて話をした夜のことです。
旅のイメージを共有し、共鳴したバイブレーションを、その日のうちに書き留めておきたくて、言葉にしました。
今後、どんなに変容のプロセスが訪れたとしても、あの夜の調べに、いつでも還ることができると感じる、美しい写真とともに。
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〈水を編む〉
みずをくぐり
みずをたぐり
みずをむすび
みずをほどき
みずをひらく
みずのように生きる
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その後、「イメージを見るのは、〈トランスフォーム〉するためです」という、和さんの言葉を聴いて、
(中に入りたい)
(向こう側に、行きたい)
と、私が強く願ったのは、旅の写真の向こうに広がっている(みえている)世界ではなく、共存する(みえない)世界だということに、気がつきます。
岩手の旅の写真に、あんなにも心をつかまれたのは、そこに秘められた「扉」を感じ、「開けたい」「トランスフォームしたい」と、願ったからだと。
(みずをくぐり)
(みずをたぐり)
(みずをむすび)
(みずをほどき)
(みずをひらく)
水は、みちひらき。
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いま、私には、あらたな感覚が生れています。
編んでいるものに、意図が生れ、
〈レイを編みたい〉
〈レイを編んでいる〉
そう感じるようになりました。
ハワイ語で「レイ」は、「愛しい人」「絆」「親愛」を意味するそうです。
レイは、自然の物でできていて、神の分身と考えられていて、誰かにレイをかけてあげることは、
(この出逢いに感謝します)
(繋がりを大切にします)
そんな心がこめられているそうです。
ひとりひとりにかけられたレイは、繋がって、地球にかける大きなレイに。
地球は、宇宙のレイに。
(レイをかけてもらうと、ふわりとあたたかくて、やわらかな笑顔になる)
そんなおもてなしができたらと、願っています。
和さん、和美さん、ヒツキアメツチのみなさんとともに。
ずっと、かわいい白い花だと思っていた一枚の写真が、突然、とんがりぼうしをかぶって、ミニのバルーンスカートを、いっぱいにふくらませた妖精たちが、手足を広げて楽しそうに飛び回って、口々にエールを贈ってくれるようになって、驚いています。
「岩手の旅のお話会」楽しみにしていてください。
浜田えみな
※お写真は、大橋和さんからお借りしています。