レッスンで気をつけていること
数年前に大人の生徒さんに言われて、気付かされた事があります。
「1度のレッスンで、直すところは3個までにしてください」
その生徒さんは、他の教室から私の教室に移られてきた方なのですが、よく練習される方で、短期間で教本を進めてきたようでした。
ヴァイオリンが好きで、どんどん難しい曲にチャレンジしたい!という意欲がある方だったのですが…頑張ろうと意欲が空回りしてしまう傾向がありました。
跳び箱の4段を跳べるようになったら、次は5段を飛ばして6段をどうしてもやりたいんです!みたいな感じで。
段階を少し飛ばしているので、当然できていない所が多く、
「ここを直しましょう。あとここも…」
と私もたくさん言ってしまい、生徒さんも混乱してしまったんだと思います。
立ち行かなくなり、
「もっと段階を踏んで、少しずつ確実にできる曲をやっていきましょう。」
とお話して、生徒さんも納得してもらえたようでしたが…
頑張りすぎて無理してしまうと、結局は続きませんよね…。
その生徒さんは、少し特別でしたが、
「1度のレッスンで、直すところは3個までにしてください」
という言葉で、気付かされた事もあります。
それは
「人は1度に多くの事はできない。」
という事です。指導する方としては、お月謝をもらっている限り、なるべく多くの事を与えたい、と思いがちなのですが、そこは少し冷静になって、1つの事が確実にできるようになってから、次の事に進んでいく事が結局は確実に上達すると思うのです。
そのような色々な経験を経て、レッスンはあくまで生徒さん主体に、一歩一歩寄り添いながら、と心がけるようになりました。
今は、生徒さんとのレッスンがとても楽しいです。何事も、心に余裕を持つ事が大事ですね。
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