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「褒め方」を変えたら育児がラクになった話

この記事では、ある本を読んで「褒め方」を変えたら娘がすごく協力的になったよ、という話をします。
といっても結論から言うとそんな大層なことは何もなくて、シンプルに「娘が嬉しそうになるまで褒めるようにした」だけです。

この本を読む前は「助かったよありがとう」とか「わあ、前はできなかったのに出来るようになったんだねえ」とか事実を具体的に認知・感謝するだけでおわりにしてたんです。そもそも私「他人の顔色を的確にうかがう」って特性的にも性格的にもすごい苦手分野だったので。。。

なので、本当にこの記事は私がその気づきを得るまでに辿った思考を記録しているだけなので、結論だけOKという方は読まなくて大丈夫です。笑
お子さんが何かいいこと(歯を磨く、お風呂に入るなど当たり前のことでも)をしたときは、お子さんが喜ぶまで褒めてみてください。それだけです。全然違います。


もともと「賞賛」ではなく「認知・感謝」を心がけていた

私の母は感動屋さんで、なんでも心から「すごい!」「頑張ったねえ」「誇りに思う」などと言ってくれるタイプの人でした。
小さい頃は素直に嬉しかったんですけど、思春期にはいるとやっぱり煙たくて。笑

児童心理の本や普通に大人の心理学の講義を受けてわかったんですが、結局「褒める」って上からになっちゃうんですよね。
それよりも認知や感謝のほうが自然な人間関係が築けるかなと思って。
(母は誰に対しても感動屋なので別にそれが悪いとかは言ってないです。思春期を過ぎたら普通に仲良くやってます。)

例えば、なにか頑張ったあと同僚に
「すごいですね!さすがエミリーさん!!」
と言われるよりも
「このデータまで入れてくれたんですか!すごく助かります!ありがとうございます。エミリーさんに頼ってよかったです」
と言われるほうが嬉しくないですか?

人間は社会的な動物なので、
①具体的に自分がしたことを認知してもらう
②それについて他人の感情のフィードバックや感謝がある
と脳の報酬になり行動が強化されやすいんです。

なので、娘にもこうするように心がけてたんですよね。

1冊の本にであう

さて、そんな風に心がけていた私ですが、下の本をかんなさんが推薦してらしたので、購入して読んでみました。

かんなさんはご自身の叱らない育児経験についてもポストしているので、よかったらぜひ。ABAの考え方をベースにされていて、いつもとても勉強になり、実生活でも助けられています。

私自身も極力𠮟らない育児をしていて、でも褒め方にはあまりこだわってなかったんですよね。とりあえず認知と感謝のみ心がけてました。

なんのために「褒めて」いる?

こういうこと書くとなんかコントロールだよねえとか犬のブリーダーみたいって思われてしまうかもしれないんですけど。。。極論言ってしまうと、我々が子どもを褒めるのって多くの場合は「その行動を繰り返してほしいから」なんですよね。

つまり、その行動が強化されてほしいから褒めるんです。

まあ子どもに限らずすべての人間関係についてそうだと思うんですけどね。素直に心から感動した場合だって、根底には「またそういうことをしてほしい」という想いがあると思うし、単に人間社会をうまく回すシステムのひとつでもあるんです。

「人間は他人に褒められたことを繰り返したくなる」というプログラムのもと、個々は「いいな。繰り返してほしいな」のシグナルとして賞賛をするんです。

話が横道にそれましたが、要するに「子どもに適切な行動をとってほしい」という観点から逆算すると、子どもにとって貴方の賞賛が価値のあるもので報酬になっていないと、効果は期待できません。

だから「子どもが喜ぶまで」褒めるんです。

褒める事柄

さて、ではどんなことをしたら褒めるべきでしょうか。ここでもゴールを再確認しましょう。

思想の是非うんぬんはいったん置いておくと、我々は「子どもに適切なことをしてほしい」つまり「当たり前のことをしてほしい」んでしたよね?

そうです。当たり前のことを褒めましょう。そしてもちろん、当たり前以上に普段から褒めていた素晴らしい行いも褒め続けましょう。

あなたがタイムスリップしたら

そんなことでいいの?と思うかもしれません。

でもちょっと想像してみてほしいんですけど、たとえば突然平安時代の貴族文化のただなかにタイムスリップしたとしましょう。そうですね、平安時代のどこぞの貴族の姫になったとしましょう。

言葉も古語でほとんどわからないし、文化も全然違います(姫は御簾の奥からでてはいけないし、やってはいけないこと、やらなければならないことの決まりが多い)。
貴方の唯一の手がかりは、おつきの女房のリアクションです。
そこでもし、女房がめちゃくちゃ怒りっぽいひとで、あなたが何か間違った瞬間怒り散らす人だったらどうします?たいていの人は「なるべくおとなしくして、なにもしないようにしよう」って思いますよね?

だってただでさえ何もわからないのに、なにかしたら怒られるんですよ。最悪ですよ。

でももし、なにか変なことをしでかしたらコホンと咳払いをして暗に止めてくれて、文化的にOK、できて当然のことをしたら「姫、さすがです」と褒め散らかしてくれる方なら「もう一生この人についてこう。この人に頼ろう」と思い「積極的に色々試してみよう」と思いませんか?

だって変なことしても安心だし、OKなことは褒めてくれるからOKだとわかるんです。

この「OKだとわかる」がミソです。あなたは言葉も通じないし、女房はあなたの表情だけを手掛かりにあなたに「自分は喜んでいる。それはOKなことだよ」と伝える必要があるんです。あなたが「女房は喜んでいる」とわからないと意味ないですよね。

そういうことです。ちょっとわかりにくい例え話だったかな。。。伝わるといいのですが。

子どもは言語の習得が早く、なまじ会話が成立し始めると大人はついつい「理解している」と思い込んでしまいますが、まだこの世に生まれて3-4年の子ども(しかも物後ごろついてからで言えば1-2年)が、この世についてわかっていることなんて本当に本当にごくわずかなんですよ。なにもわかってないと想定してください。タイムスリップした人間と同じで、ただ見よう見まねで不確かでわかりにくい情報をなんとか咀嚼して頑張ってるんです。

「褒め方」を変えて変化したこと

というわけで、最近娘が当たり前のこと、適切な行動をとったときは(もちろん認知と感謝をベースにはしてるのですが)娘の顔色をみて喜ぶまで褒めるように変えてみました。

1か月ほどたちますが、ほんとうに育児がラクになりました。以下が最近スムーズにしてくれるようになった行動です。

  • 歯を磨かせてくれる(しかも「ママこうすると磨きやすい?」「ママ娘ちゃんが歯磨きしてくれると嬉しい?」と聞いてくるので、褒めたのがあきらかに刺さってます!)

  • お風呂入る入らない戦争に終止符

  • トイトレ完了(しかも超スムーズで大した苦労しなかった)

  • 自分の感情をうまく伝えられるように(親が○○したら嬉しいとか悲しいとか伝える量を鬼増やした)

  • 大声で泣きながら伝えるのではなく、普通のボリュームで親に依頼できるようになった

  • 交渉上手になった。遊ぶのは10分ね→30分がいい!→10分だよ。→じゃあ20分は?など

他にも枚挙にいとまがないです。とにかくラクになりました。

また、感情の伝え方については以下を意識してました。

  1. 親はなるべく自分の感情を言葉で表現する。子どもの感情については質問と推測をする。(例:悲しそうに見えるな。なにか困ったことがあったの?)

  2. 子どもの言動が他人に与える影響についてなるべく他人の感情の推測をまじえて説明する。(例:娘ちゃんがごはんを机まで運んでくれたから、パパとっても嬉しそうだね!/娘ちゃんがパパのことをたたくと、パパは痛そう。悲しそうなお顔をしてない?)

  3. 子どもに最大限共感する。(例:そうなんだね。今日は保育園には行きたくないんだね。/もう1個おもちゃを買いたかったんだね。そうだよね。買いたかったよね。とっても楽しそうだもんね。)

  4. 親が他人(パートナーや親せき、先生)に優しくしている姿を積極的に見せる

  5. 対話ベースの対応を心がける

参考にした書籍(英語のタイトルは「How to raise kids who aren't assholes」で直訳するなら「子どもをどうクソ野郎じゃない人間に育てるか」)
この本もこれ以外にもなるほど~の連続なのでぜひ。

おわりに

というわけで、娘には効果てきめんでした!

n=1の体験談ではありますが、ABA育児として確立された手法の一部なので効果のでる子はたくさんいると思います。ぜひこれだけでも試していただいて、効果があってもなくても本を読んでみてください。ここでは本当に1つの方法しか紹介していないので。。。色々発見があると思います。

ではでは、いつもがんばっているあなたに今日もいいことが起きますように。

ハッピーフライデー♪

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エミリー
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