辻井伸行さんのソウルコンサートに
2024年3月3日の夕方、ソウルの「芸術の殿堂」というコンサート会場で辻井伸行さんのピアノコンサートがあった。
辻井さんにとっては初のソウル公演だったそう。
辻井伸行さんは世界中の人を魅了しつづける盲目のピアニスト。こちら、出張「徹子の部屋」の辻井さん、彼の経歴が分かります。
動画の最後の方で辻井さんから徹子さんに「徹子さんのテーマソング」を即興演奏でプレゼント。徹子さんは涙で「自分のお葬式に使う」と仰ってる。
7.8年前ネットで彼の演奏を聞いてから「いつか辻井さんの生演奏を聞きたい!」と強く思った。でも日本でのコンサートはチケッティングさえ大変そう。高い空に浮かんだ風船のように「いつか」が遠かった去年の暮れ、ソウルで辻井さんのピアノコンサートがある事を知った。急いでチケット取って嬉しくて友人に報告したら、その友人も一緒に行きたいというのでそれも。もうほぼ残席は無かった。春を待つ冬眠期の熊さんみたいに3月3日を待っていた。
そうやって迎えたコンサートの演奏は、期待に違わず素晴らしかった。それはやはり固い土から芽を吹きだす「しなやかで力強い春」のようだった。私の席は「合唱席」という場所で、舞台上から辻井さんを見下ろす席でお顔の表情がよく見えた。演奏しながらどんどん上気して赤くなってくる辻井さんの顔から目が離せなかった。
音が耳からだけ入ってくる感じがまるでしなかった。肌にしっかり届くとてつもなく美しい磨かれた珠のような音。時に熱く時に冷たく自由自在に、とにかくエネルギーがすごい!しっかりした感触を残しながらも音の粒が体を気持ちよくすり抜けていく気がした。生音だったから特にそう感じたのだろう。体感コンサートなの?音が身体をノックしてくるようだった。柔らかな曲の時は柔らかく。激しい曲の時は鋭く。
アンコールがリストのラ・カンパネラだったこともあり、会場は大盛り上がり。一緒に行った友人が後で教えてくれた。韓国人の観客達もスタンディングオベーションだったことを。私の目は舞台の上の辻井さんだけを注視していたので知らなかった。歓声の盛り上がりは感じていたけど。
こんな大曲がアンコールってどゆこと?笑 どういう体力?先の「徹子の部屋」動画でも言ってたけれど、この方は絶対「食べること」が好きだ。ソウルコンサート後の辻井さんのインスタにはこうあった。
次回韓国に戻ってくることができた時は、もっと韓国の町を歩いたり
、美味しい焼き肉をお腹いっぱい食べたいと思います!
是非是非そうして頂きたい。きっと次のソウル公演もあることでしょう。美味しい焼き肉を笑 辻井さんは身体性を大切にしてらっしゃるのだと思う。とにかく彼のピアノは音がすごく伝わって語ってくる。軽さも重みもあってとても美しい音なので美しさに涙する。自分の感じる世界を、こんなにも美しく丁寧に細かくも力強く音で「表現」している点で、辻井伸行さんは自分の憧れのスーパースターです。
言葉で喋っているわけではないのに、言葉より正確に。そして言葉じゃないから受け手には、より自由で優しい。
こちらのコロナ期に出された「春よ、来い」の演奏は、歌詞もないのにまるで歌詞がついているようです。たんたんと諭してくるような肩を抱く音、、「春はくるよ」って。
ということで、この3月3日に、かねてからの願い「辻井伸行コンサートに行く!」を果たし「予は満足」なのですが。(満足以上の満足笑)
この日、実は私は「かねてからの願い」を三つ叶えてまして笑。その一つが、このコンサートの後に泊まりに行ったゲストハウスでのこの話。
夜空に打ち上がる花火のように願いが気前良くバンバン叶った景気の良い日でした。実はこのコンサートの開始前に、ロビーでこんなこともありました。コンサート会場で天使に遭遇(天使のような韓国人男性笑)その話も書きました。 よろしければどうぞ。
辻井伸行さんのピアノは世界各国で絶賛されている。感想よりも
実はこっちの話が辻井伸行さんの耳に届くと良いな!↑
ありがとうございました。