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花一輪を手渡すように「!」を添える
「!」のつけ方に、躊躇することがある。
たとえばメール、たとえばちょっとしたコメント欄。
以前に、佐々木圭一さんの『伝え方が9割』について、cafeglobeで書評を書いた。
欲しい結果を導くスキル。ビジネスで勝ち抜くための「伝え方」とは
私がいたく感じ入ったのは、この部分。
あなたのメールは、あなたが思っている以上に、相手に冷たく伝わっていることを知りましょう。では、具体的にどうすればいいかです。感情がそぎ落されるぶん、コトバで感情を30%増しにするのです。
これで、手書きと同じレベルになります。具体的には、語尾です。語尾に感情を加えるのです。語尾を冷静にしないようにしましょう。何の気なしに語尾を冷静にすると、相手には「怒っているの? 」と思われることさえあります。
197ページより引用
そして、感情30%増量のポイントとして、「!」を語尾に使うだけで、印象がずいぶんと変わるといったことが書かれていた。
かくいう私は、メールの絵文字も、もちろん「!」も苦手だった。
自分のパーソナリティや感情が見える表現は、ビジネスの上でなんだか嘘くさい感じがして、それこそ気持ちがそぐわなかった。
メールなどで「!」を乱発している人を見ると、「本当に、その温度感なわけ?」と、不信感すら感じていたものだ。
会社員時代は、余計な感情をカットした文章づくりを意識して心がけていたが、この本を読んだときに、目からうろこが落ちる思いがした。
メールは思いが伝わりづらい。だから、温度上乗せしていく必要があるのだということ。
そうかーと、当たり前のことなのに、はたと得心がいった。
対象や案件にもよると思うが、それ以来、自分の中で感謝や感動を伝えるときには、意識的に「!」を添えるようにしている。
それでも、まだ照れやら、自問自答があったりする。
この「!」は、本当に、自分の気持ちとして適切な分量の「!」なのだろうか。
温度を上乗せというと、今の私には正直いまだに気恥ずかしい。
なので、大きな花束ではなく、花一輪を添えるようなイメージで「!」を打つことにした。
何か少しだけ、自分のカラを破った感じがしてすがすがしくもある。
自分のスタイルをちょっと変えていく行動は、少しばかり勇気がいるけれど、花一輪の感謝なら、気軽に手渡せるような気がしている。
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