バラエティ
郊外の駅の、ロータリーのそば。
古めかしい佇まいの雑居ビルがありました。
すべての階が営業しているのか、そもそも看板が出ているテナントも今もって存在するのか定かではありません。
とにかくその中の店舗の、正面の窓に掲げられた広告が印象的でした。
待合せ・休憩・集会所
おにぎり定食 将棋道場 カラオケ喫茶
盛り込みすぎではないだろうか。
ひとつのお店とするにはとりとめが無さすぎる。
「待合せ」を謳うところに、何か時代を感じる気がします。ジャンルは喫茶店なのだろうけれど、将棋を差す人の横でカラオケしてる人がいるってどうなのだろう。店内はよほど広いのだろうか。
そして食事をおにぎり定食にしぼった意味とは。
わたしはこれを見て不覚にも笑い転げてしまい、色々想像はしてみたものの、考えるほどに謎は深まっていくのでした。
かといって事実を確かめる勇気はなく(常連さんばかりのお店だったら居づらいし、建物そのものがただならぬオーラをまとっていたので)、その場をあとにしたのです。
スマートフォンはもはや電話ではなく、それ以外の 使い方が無限に存在するように、ひとつの装置に複数の機能が付加されているのが当たり前の今日この頃。
ダイバーシティでサステナブルな世の中を実践すべく、この昭和なビルはがんばっているのでしょう。
おにぎりをほおばりながら楽しい集会をしていたらいいな、と思うのでした。
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