地域コレクティブ「ART DROPS」はじまります。
UNMANNED無人駅の芸術祭/大井川の開催を重ねる中、かねてから考え準備をしてきた、ゆるやかな枠のようなものを作り、地域がふくらんでいくような取り組みを、地域コレクティブ「ART DROPS」としてはじめます。
今後、「寄り合い」の場を重ねながら、持ち込まれた課題(アジェンダ)に対して話し合ったり、実際のアクションを起こしていったりを考えています。関わりたい人、ぜひ!
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地域ってなんだ。地域って誰がつくっているんだろう。
地域。
住んでいなければ、知り合いがいなければ、行ったことがなければ、何となく関わりづらいイメージがあります。
コロナ禍により移動と交流が断絶され、地域という「枠」はさらに揺らいでいます。
だからこそ、地域へ関わるきっかけは、実際の人の移動に基づくことだけでなく、憧れや愛着や記憶や時に後悔も含め、まだ知らぬ感情でもいいと思うのです。
枠から「ワク」へ。ワクワクが沸く場所へ。
多様な形で、地域に関わり続けられるゆるやかなワク、
何かが生まれていき、新しい発見や感動を感じるワク、
のようなものを地域コレクティブとして発足します。
DROPS(ドロップス)は雫の集合体の意。
一滴の雫が、たまりになり小川になり、やがて海に注ぐよう、形を変えながら静かなうねりを地域に興していきます。
あなた自身もきっと大切な雫、地域のドロップ。
補い合い、関わり合うことで、関係性が変化し続け、地域という枠が曖昧にふくらんでいく。
ぜひ一緒に、この静かなるうねりの一滴となっていただけましたら。
2021年9月 「地域コレクティブART DROPS」はじまります。
「地域コレクティブART DROPS」結成にあたって
私たちはこれまで4回にわたり「UNMANNED無人駅の芸術祭/大井川」を開催してきました。静岡県の中央を流れる大井川、川に沿って走る鉄道の無人駅、そこから広がる集落がアートの舞台です。土地の力と人の営みの温かさを大事にしながら、参加アーティストと集落の人々やサポーターとの融合の先で生まれる地域の新しい姿を探し続けるための場所が芸術祭です。
無人と呼ばれる場に生きる人々は、近所との温かな関係性を維持し、昔ながらの豊かな生活を送っています。一方で、担い手が少しずつ減り、効率化やスピード重視の現代社会からは明らかに置いてけぼり。お荷物的な場所とも言い換えられるかもしれません。そのような地域の姿が、芸術祭をきっかけとし、表現され、発見され、地域の人々とアーティストとに生まれる強固な信頼関係を目にしました。そこには、多様で対等な新しい関係性が見えてきます。
「UNMANNED無人駅の芸術祭/大井川」を「ハレの日」と捉えるならば、社会がますます均質化していく中、日常の「ケ」の部分にこそ、これまでの芸術祭から生まれたもの達が染み出すような持続的な動きが地域に必要なのではないかと考えます。
日常は、不確かだけれどたくましく続くもの。そこに、「曖昧であり続けること」を目的とするような、境界をわけない集まりを「地域コレクティブ」と定義し、多様な形で地域に寄り添い続けるコトを起こしていきたいと考えます。
ARTDROPSとは、雫の集まりの意。1粒の雫は誰かの喉の渇きを癒し、草木に命を与え、川の流れの一部になっていきます。メンバーが1粒の雫として、複数体として、たまりになったり小川になったり形を変えながら静かなうねりを作っていくことで持続的な地域の関わりしろを作っていきます。メンバーはアーティストにとどまらず、地域に関心のある人、集落の住民など多様な層を想定。課題を持つ側も解決する側も、場合によっては立場が逆転し、補い合い、関わり合い、関係性が変化し続けていくことを目指します。
地域コレクティブ「ARTDROPS」は、芸術祭という祭りから日常へ染み出していきます。それにより、今までの埋もれた歴史が見いだされ、隠された地域を掘り起こし、既存の地図を見直すことが可能になると信じています。この現代社会において、「曖昧であり続ける」ということの1つの価値と挑戦をこの取り組みで示していきたいと考えます。
NPO法人クロスメディアしまだ 大石歩真・兒玉絵美
■「地域コレクティブ ARTDROPS」の特徴
・地域のためのコレクティブであること。
静岡県に位置する2つの小さな市町に、様々な形で寄り添い続けるヒトと共に新たなコトを起こすことで、補い合い、関わり合っていき地域が持続的に発展していくことを目指します。
・関係性は常に変化し続けるものであること。
集落の人から持ち込まれた課題を解決することもあれば、アーティストの相談に集落の人が乗ったり、様々な人が混ざり合って1つの何かを行ったり、想像もしないような取り組みや関係性が生まれてことを目指します。
・“ワク”があるようでないものであること。
「寄り合い」の場づくりを積極的に行います。関わり方は自由で、曖昧だからこそ、持続的な地域への愛着と熱量が続くことを目指します。積極的に行うのは「寄り合い」の場だけ。
■「地域コレクティブ ARTDROPS」で行うこと
・「寄り合い」の開催
オンラインとオフラインを織り交ぜながら「寄り合い」の場づくりを定期開催します。
解決したい課題を持ち込む人を囲み、メンバーの様々な視点や考えを持ち寄り解決方法を探します。メンバー間での相互補完の関係性を生み出すための「寄り合い」の開催も行います。
・課題(アジェンダ)の持込み
地域をもっと良くしたい、こんなことに困っている、など地域にまつわる課題やアイデアを
持ち込みことのできる場を作ります。(HPからの投稿フォームにて)
持ち込まれた議題(アジェンダ)に基づいて寄り合いの開催をします。
・実際のアクション
解決方法やアクションがまとまった地域課題はプロジェクトとして実際のアクションを行っていきます。
■「地域コレクティブ ARTDROPS」へ関わる入口
・ARTDROPSに参加したい方
アーティストを軸に、集落の人、地域に関わりたい人、コレクティブに興味のある人など、どんな方でも参加可能です。コレクティブ内でメンバー相互にプロジェクトを立ち上げることも可能。
→※参加申し込みはHPから http://art-drops.jp/artist/
・地域課題をアジェンダに投げ込みたい方(地域のことを考えたい方)
ARTDROPSに投げ込みたい課題やアイデアを投げ込みたい方。
こんなアイデアが欲しい、こんなことに困っているなどお気軽にお寄せください。あなたの地域に関わる人とアイデアを広げてみませんか。
・ボランティアサポーターとして関わりたい方
地域コレクティブARTDROPS発足のきっかけとなった「UNMANNED無人駅の芸術祭/大井川」に関わりたい方、芸術祭に興味がある方はこちらから。
→※参加申し込みはHPから https://art-drops.jp/local/#join
■例えばこんなコト
コレクティブ?ARTDROPS?課題の投げ込み?などなかなかピンと来ない人も多いのでは。こんな動きを想定しています。
(が、どういう形になっていくか読めないところがコレクティブの醍醐味!)
例1)ホタルの里づくりをするNPO団体、道案内がないという悩みを「寄り合い」に持ち込み、アーティストが看板作りを行った。
例2)コワーキングスペースを新たに運営することになり、アイコンとなるロゴ作りを「寄り合い」に持ち込み、制作をお願いした。
今後、「寄り合い」の様子などもアップしていきますのでお楽しみに!