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幽霊シティプロモーション考

シティプロモーションとは、特定の都市や地域を促進するためのマーケティング活動全般を指します。これには以下のような活動が含まれます。
・観光振興: 観光客を引き寄せるための広告、キャンペーン、イベントの開催などが含まれます。観光名所や文化イベントのプロモーションが典型的な例です。
・経済発展の促進: 新しい企業や投資家を誘致するためのプロモーション。これには税制優遇やインフラ整備、ビジネス環境の整備などが含まれることがあります。
・住民の満足度向上: 住民が生活しやすい都市であることを強調し、人口流出を防ぐための活動が含まれます。これには公共サービスの向上や文化的イベントの支援などが含まれます。
・国際的なプロフィールの向上: 国際的な市場での競争力を高めるために、都市のイメージを強化するためのプロモーション活動です。例えば、国際会議や展示会の誘致、国際交流の促進があります。
これらの活動は、都市の経済活動や社会的な魅力を強化し、持続可能な成長を促進することを目的としています。都市プロモーションは、都市のブランディングやイメージ戦略、地域振興の一環として、多岐にわたる手法と戦略が用いられます。

ChatGPT

AIに聞くとこのように出てきます。なるほど。
地域を促進するため。って抽象的だな。

様々な取組を行ってきてブレたらいけないなと思うのは、
地域づくりとは「地域の土台づくり」だということです。
地域づくりは、外から人を呼び寄せる前に、まず地域の中を丁寧に耕すことが大切だと思うのです。

地域の土台とは住民がここに住んで良かったと思う気持ちと、その気持ちによって地域に対して何かアクションをはじめること。

逆に言うと。
地域の土台が創れていないのに、観光客を呼び寄せてもリピーターの獲得になるのでしょうか。
住民ですら関心のない街(地域)に外からの観光客は愛着などもたない。
そんな場所の未来は明るいのでしょうか。

だから、上記AIの答えは、3つめの住民の満足度向上こそ一番にやるべきだと思うし、「やり続けるべき」ことだと思います。
シティプロモーションの取り組みを見てみると、都市部で大々的にブースを設けて、そこにたくさん人が来た。だからそれでシティプロモーションが成功した、と思っているようなものが多いように感じます。

莫大な予算を投下して行われているそういう取組と、成功の指標の曖昧さ、割といつも疑問。

シティプロモーションの成功指標は、都市部でのブースに何人来たかではなく、「そのブースがきっかけとなり実際に何人まちに訪れ、どういう消費行動が生まれたか」なのでは?
都市部に行って、まちを売り込むことに全く効果がないとは思いませんが、正直砂漠にスポイトで水をたらすようなものではないのかな。
かける費用のわりに効果って・・

華やかに都市部でまちを売り込んできても、その取組が市民に全然根付いてないとかPRした商品が地元のどこで買えるのか誰も知らないとかもよくあるような気がします。
外にばかりに目を向けて、まちや地域の内側(市民)の耕しをおろそかにしているプロモーションを幽霊シティプロモーションと名付けたい。
足がない。足が地域についていない。かけた予算を見ても背筋が寒くなることも多い。

目を凝らすと住民がそれぞれに愛着を持って丁寧に取組んでいる素敵なコトは地域にたくさんあります。
予算をかければ誰だって大きなことはできる。
重要なのは、大きいか、派手か、多いかではなく、参加した住民がここに住んで良かったと思えるかどうかだと思います。

憧れられるまちかどうか。

この問いを他者視点ではなく、住民に対して問いかけてみるべきなのだと思います。
この問いかけの答えをよりよいものにしていく、地域内の取り組みをたくさんひろって、みなで共有していく。
わたしはそんなまちがいい。

都市部にばかり目を向けている街の取組を見ていると、自己承認欲求のかたまりオバケみたいに思えてきます。そりゃあ華やかだし、良く見えるけどさ。
まちの承認をするのは市民1人1人。外からの承認ばかり得ようとして中身がない(ように見えてしまう)のってどうなんだろうか。

地域の土台をもとに組み立てられたシティプロモーションは、足腰の強い取り組みとなり、地域の土台も強固になる相互循環が生まれるのだと思います。

言葉が先行して華やかな取組ばかりがシティプロモーションみたいな感覚、ちょっと立ち止まって考えたい。AIの答えもやっぱり一番に観光振興が書かれているあたり、これってひと昔前の、お金も人もたくさんいた時代の感覚なのでは、と思ってしまいます。教育とか文化とか、まちの内側の耕しのために必要なことは他にもたくさんあるような気がします。もちろん観光が教育や文化と組み合わせになる素敵な取組はたくさんあるけれど。

外へ外へ、都市部へ都市部へ、とベクトルを上へ上へと伸ばすことよりも、内側へ内側へと地域を掘っていく取組こそが、固有の唯一無二のまちの魅力として外の人には刺さるのでは、と自分が他のまちに旅をするときの感覚からも思ったりします。

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