【実話】私がいじめられた経験
友人がいじめられているという投稿をよく見かける。
私もいじめられた経験はある。
小学校3年から卒業するまで4年間。それは、網元(漁師のリーダーの娘)と衝突したことがきっかけなのだけれど、私たち兄妹がテレビを観ていない、兄の身体中に病後の斑点があったなど人知られない理由が複合的にある。
それは兎も角、高校に入ってからあるグループに集中的に攻撃されたことがあった。
その女の子たちは家庭科の時間になると私を集中的にいじめてくるのだけれど(他の時間では男の子の目があるからなのか? )髪の朱い女の子たちだった。
いわゆる不良の境界線みたいな子たちで、けれど髪を染めるのはその高校では校則違反ではなく、その時代にしては自由で先進的な校風の高校だった。まだ、バブルの頃か。
その子たちが私をいじめるのは多分……私が数学が苦手だったからなのだろう。
国語の成績で入ったようなものの私は、数学がその学校より上のクラスの学校よりも平均点がいいこの学校でかなり落ちこぼれている存在だった。
学校で数学の時間、前にも後ろに黒板がある高校だったがそれは数学の問題を書く為と聞いたことがある。しかし解くときは私はいつも悩んで結局答えを書かなかった。
「バカだっつうか、自分が可愛いと思っているっつうか」
家庭科の時間になると、決まってこう台詞を浴びせられた。
ある時、その女の子のグループの一員が家庭科の時間で立ち往生していた。
見ると彼女はミシン(その頃は足踏みミシンで旧式のものを使っていた)の仕掛けができずに課題を進められないでいた。
私は、その時迷わすその子の近くに寄ると「貸して」と言ってその仕掛けを上手く仕上げてあげた。「ボビン」の仕掛けだけは教科書だけだとよく分からないのだ。
その子は、びっくりしたように私を見た。
「ありがとう」
その家庭科の授業の後から私への声援をその子たちは始めてくれた。数学で「わからない」と首を傾げて答えても「可愛いー! 」ちょっと恥じらっても「可愛いー! 」
クラスの子と共通の話題の少ない私を仲間に入れようとしてくれていたのかもしれない。
けれど私は不良っぽい子はその頃苦手で「一緒に髪を染めよう」と言われるのを想像し、その誘いには気づかないようなふりをしていた。
彼女たちは、それでももう二度と私をいじめることがなかった。
あの頃あのグループに入っていたらどうだっただろう。本ばかり読んでいた私の世界はどうなっただろう……? プライドと真面目さばかりが際立った過去の私がいた。
そんな思い出がある。