チャネルとは何か
日本語ではチャネリング・チャネラーという言い方がポピュラーですが、元々の英語ではchannel (チャネル)といいます。動詞としても名詞としても使います。
チャネルというのは、昔のテレビにあったあれ(笑 チャンネル)です。つまり、自分の必要な局を選んでそれを受信するモノです。
スピリチュアルに興味のある人なら、チャネルというのは、何か崇高なメッセージを見えない世界の存在と繋がって伝えているというイメージでしょう。
しかし、チャネルというのは何か特別な人や特別な技術を得た人のみにしかできないものではないのです。それは、全ての人ができること・・というよりやっていることで、ただそれを意識的に使っている人とそうでない人がいるだけなのです。
チャネルによってもたらされるものは、未来予知とか何か不思議なメッセージだけではありません。美しい音楽や絵画、一瞬の美を切り抜いた写真や、あらゆる芸術と呼ばれる事柄にそれは起こっています。
また、ふと口をついて出た言葉が誰かの深い癒しや気づきになることがあります。その言葉を発した人は大抵の場合、自分が言ったことを覚えていないことが多いのですが、聞いた人にとっては一生忘れられない言葉になったりもします。
科学技術の発展においても、チャネルは大きな役割を果たしています。ふとしたインスピレーションがもたらした・・と言われる発見や気づきは、チャネルと呼ばれる現象です。それらがなくては、科学技術の革新は起こり得ないと言えるでしょう。
人間の制限された意識を超えた「何か」が降ろされてくる・・というのが一番しっくりくるかもしれません。そして、それはものすごく自然で、自分を超越したものでありながらも、あくまで「自分」が発しているものとして感じられることがほとんどです。
それがチャネルであるという唯一の証拠は、それが「美しい」ということでしょう。なぜなら、情報や表現される何かがもたらされてくる大元は、ベールの向こう側(あの世とよばれるもの)だからです。
つまり、誰かを恐怖に陥れるような情報や、何かを破壊することで困難をもたらすようなものは、チャネルとは呼べないと私は考えています。すべてが愛と調和であるベールの向こう側からもたらされるものは、人々を破壊や恐怖へとは導きません。
ただし、「闇の中の美しさ」というものも存在します。暗闇の中に光る一筋の道を表現する芸術は存在します。それは人間の手にしている闇の奥に光る何かへと私たちを導くものだからです。
チャネルは、誰にでもいつでも起こっています。はっとした閃きなどもそれです。何となくこっちの道を進んだほうがいいな!という閃きに従って歩いていったら、ずっと会いたかった人にばったり会う・・というのもそうです。
人々を導くような崇高なメッセージを発する人や、人類の生活を飛躍的に進化させる発明をする人。至高の美を表す芸術家や、人々が夢中になるストーリーを発表する小説家や漫画家。より大きなトマトを作る方法に夢中になっている農家の人や、人々を感動させるパフォーマー。この世界には様々な素晴らしいチャネルが多く存在します。一方、夢中になって描いた絵を誇らしげに見せてくる子供達も偉大なチャネルなのです。
一人一人が、自分の内なる感覚を研ぎ澄ませて毎日を生きる時、私たちはそれぞれがすばらしいチャネルとなり、あの世の美をこちら側の世界にもたらします。そしてそれこそが、私たちの世界がより美しく豊かに進化していく道筋なのだと思うのです。
チャネルは、その伝えたいことを外に発してこそチャネルといえます。頭にアイディアが浮かんでいても、それを形にしない限りは何も起こりません。発信してこそ、それが自分のものとなるのです。
そして、見えない世界からもたらされるそのアイディアは、すべての人に平等に降り注いでいる雨のようなものですから、他の人がそれを器にためて何かに使うこともできるのです。たまにストーリーの盗作騒ぎというものがありますが、閃くアイディアは、それをその人が発信しなければ、どこか他の人を通して発信されることになっているからです。
芸術でも、技術でも、メッセージでも、閃きでも何でも構いません。自分を通して外に溢れだしたがっているものを出すことは、他の人に貢献することのみならず、何よりも自分自身を癒します。なぜならそれは、そうすることであの世の波長に触れることになるからです。
砂場でものすごく集中してお城を作っている幼児の瞳がキラキラしてるのは、その美しい波長に触れているからです。何かに集中している人達の目が輝いていて美しいのは、そういう理由です。
あちらの世界からもたらされるものに優劣はありません。そして、制限された人間の能力を超えて、それはもたらされます。私たちがすることは、ただその道筋を作るだけです。内側から湧き上がってくるような感覚に身を委ねることで、その道筋は作られます。
さあ、あなたはきょう何をチャネルするでしょうか?
あなたが生まれてくる前に計画したのは、何をチャネルする人生ですか?
頭で考えてもきっとわからないその答えは、あなたの内なる衝動というものがヒントになることでしょう。
何度も何度もくりかえし受け取っているそのヒントから、どうぞ目を逸らさないでいてくださいね。