私たちは消された展開催中
牧田恵実の描く幻想的な森は、夢の中に迷い込んだかのような感覚に私達を誘います。画面中央に描かれている樹は、富山県魚津市にある樹齢500年以上の洞杉をモデルに、その存在感は仏教の「菩提樹」を連想させます。作者が描いているのは夢の中の心の旅路のよう…何に触れて何を学んだのかが幻想的な森の中で寓意的に描かれています。
作品の中央にいる女性は、樹に両手両足を奪われ、神聖な存在と融合したような恍惚とした表情を浮かべています。彼女の姿は、生と死の喜びと苦悩を受け入れる智慧を見せているか