超個人的リモートワークの作業用BGM
朝からレディー・ガガ主宰のバーチャルコンサート「One World: Together at Home」の余韻に浸った日曜日だった。
いやーすごい。しょっぱなからスティービー・ワンダーやらポール・マッカトニーが出てくるし、エルトン・ジョン、テイラー・スウィフト、ビリー・アイリッシュ、ファレル・ウィリアムス、ジョン・レジェンド、Green Dayのビリー・アームストロング……あとローリング・ストーンズも。紅白とレコ大とCDTVとMステを合体させてもここまで豪華なメンツはそろわないだろう。観ていない人はこの最後の曲だけでもチェックしてほしい。
セリーヌ・ディオンが参加するのもすごいけれどボチェッリさんとかどうやったら呼べるの?レディー・ガガすごくない?なんなの?
リスクを冒しながら働く医師、看護師、その他休業できない社会インフラを支えているすべての人へ――。スポーツ界からはベッカムが登場したかと思えばF1スターのルイス・ハミルトンも出てきて仰天だし、映画界からはマット・デイモン、サラ・ジェシカパーカー、そして私の大好きなプリヤンカー・チョープラー!4時間くらいあるけれど、abcテレビがバックアップしているだけあってただの音楽チャリティー番組ではなく、深刻な医療現場からの声もしっかり発信するというドキュメンタリーとしての資質も高いものだった。
姉妹とテレビ電話をつなぎながら番組を実況しあい、日本ではどうしたらこういう業界をまたいだ運動ができるだろう?と真剣に考えたものの、競合が当然のテレビ局間の連携は進まないし(連携するはずの東京五輪は延期になるし)、"ムラ"気質の強い音楽業界を横断して呼びかけられるようなアイコニックなアーティストっている?となり、星野源?サザン?B'z?もはや司会のタモリ?などとぐだぐだ語り合っていたら日が暮れてしまった。医療関係者への賛辞を贈る「クラップ・フォー・ケアラーズ」も聞こえない、静かな東京の1週間が終わった。
仕事はヤマ場を越えて、久しぶりに仕事のない土日を過ごすことができた。ブルーライトに目をやられてしまっているのでアニメ映画漬け…とはならず、主に読書と友人たちとの電話。場所は福岡から北海道、年齢は同い年から70代の友人までたくさんおしゃべりした。テレビも極力つけず、ニュースとは距離をおいた。
やや忙殺されていたここ2週間、気づけば集中的に聴いていた音楽たちをリストアップしてみた。
作業中はあんまり音楽アプリを操作したくないのでアルバムよりも曲がたくさん入っているプレイリストを聴いている。なかでも「はじめての~」シリーズはすき。アルバム曲も網羅するくらい好きなアーティストなら有名曲揃いでライブ気分を味わえるし、もちろんあまり知らないアーティストの入門編として最適だし。
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「2010年代 邦楽 ベスト」
紅白歌合戦とレコード大賞を10年分振り返ってみたような豪華ラインナップ100選。98曲くらいは歌詞なしで歌える。DA PUMPの「U.S.A.」はまだ記憶に新しいが、マルマルモリモリがかかったときは懐かしさでコーヒー吹きそうになった。7時間22分あるので、朝から一人カラオケしていたら無事終業時刻を迎える。
「#やっぱり音楽が好き」
これだけはプライムミュージックで、5時間越えの超大作。ツイッターなどのSNSでリクエストのあった楽曲を集めて完成した、リスナーの・リスナーによる・リスナーのための元気になるプレイリスト。ちなみに私の友人が立ち上げたものなのでプライム会員の方、ぜひ聴いてみてください。
◆朝~お昼の時間帯◆
「紅の豚 サウンドトラック」
ジブリ作品の中で1番好きなのが「紅の豚」。1曲目から空を飛びたくなるようなふわり、軽やかなメロディーが朝に最適。曲だけでシーンが浮かんでくる。
「The New Abnormal」(The Strokes)
ザ・ストロークスの7年ぶりのニューアルバム。とはいってもアルバムを聴いたのはこれが初めて。フジロックに出演予定らしいけどどうなるのか。。ZARAとかでかかってそう、でも古いアメリカン・パブでもかかっていそうな、新しいような懐かしいような曲たち。
「はじめての ビートルズ」
人類は結局、ビートルズに回帰するのではと思うときがある。在宅勤務で雑談が恋しいという話をよく聞くけれど、それをいうならどんなお店でもかかっているビートルズの曲は最適な雑音(生活音)なのかもしれない。水のようにすっと耳に染み込む、暮らしと共にある音がする。
「QUEENS,DANKE SCHON PAPA!」(髭(HiGE))
普段はメロコアを聴くことが多いのに、作業向けとなると耳が疲れて最近はめっきり聴いていない。髭はメロコアじゃないけれど、激しい曲もありながらメロウな曲もあって表現の幅が広くて不思議(歌詞もだいぶ不思議)で、高校1年生で出会ってからずっと聴いている。きっと須藤さんの声が好きなんだな。
2年前のライブは、台風で東京行きの飛行機が飛ばずにチケットを泣く泣く手放した。この状況を考えれば、あのとき這ってでも行くべきだったなあといまさら。
「はじめての スーパーカー」
Netflixの「FOLLOWERS」、エウレカセブンの挿入歌で耳にしてから初めてちゃんと聴いている。意外にも聴いたことのある曲がちらほらあって、日々生きる中で小さな出会いがあったのをいくつも見逃していたんだなと。PLANETがお気に入り。
◆夕方~夜の時間帯◆
「はじめての ビリー・アイリッシュ」
ビリー初心者だけど最近毎日のように聴いている。静かな夜に、自分と向き合う感覚に自然とさせてくれる。やさしくもあり妖しさも潜む、くせになる曲が多いなあ。
「thaw」(くるり)
ライブツアーが中止となり、急遽リリースした未発表楽曲集。1曲目の「心の中の悪魔」が、日比谷公会堂や野外フェスで聴いたら感極まって泣いてしまうだろうなというくらい、スケールが大きくてやさしくて力強い。だいすき。怒りのぶるうすやGiant Fishとかのなつかしいナンバーも収録。
「Marginalia Ⅰ」「Marginalia Ⅱ」(高木正勝)
最近の個人的大ブーム、細田守監督作品で劇中歌を担当する音楽家の高木正勝さん!最近高木さんのエッセイ『こといづ』を読んだのをきっかけに、夜はキャンドルを置いてこの2枚を聴きながら過ごすのが日課になっている。
豊かな自然で自給自足の生活を送るなかで高木さんが見つける美しい気づきや人の温かさが、まさに今、コンクリートジャングルに閉じ込められている都会人のすさんだ心をじんわりと溶かして温めてくれる。自然が歌い、しゃべっているような素敵なお話。
番外編◆追い込まれているとき◆
「新世紀エヴァンゲリオン 作業用BGM」
大学時代からレポートの〆切日が迫ると必ず聴いていたせいで、これをかけると自動的に集中モードに切り替わるようになっている。
「SiMのトップソングリスト」
普段はそんなに聴かないのに、〆切が迫るとなぜか聴きたくなるSiM。ドスのきいた、アップテンポがどんどん追い込んでくれる。追い込まれないようにしろよ。
「はじめての ナンバーガール」
伝説の地元バンド、でも透明少女以外を聴き始めたのは昨年というニワカにもやさしいプレイリスト。方言や、地元によく咲いていた植物の名前とかが歌詞に出てきて実はすごく郷愁を誘われる。
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そういえば、電話をしながら、そろそろ「エモい」以外の慣用表現が出てきてもいいよね、という話を姉妹でした。感情の高ぶりをもっと多彩な言葉で表現するようになれば、日本でもOne Worldのような大きなムーブメントが起きるかもしれんよね、と。そうなるために、まずは自分から。身近な仕事から、やね。