彼の好きなところ7
好きポイント⑦意思を尊重してくれる
これもネットで知り合った男たちがあまりにクズすぎて彼の株が上がった説は大いにあるのだが、彼はきちんと私がどうしたいかを確認し、ノーと言えばそれを尊重してくれた。
私が勝手にデートと思って会った最初の日、元々はゆっくり語り合える場所でしっぽり飲もうと誘っていたのだが、酔いが回っていい気分になり、ホテルに行く流れを作ってしまった時も彼は最後まで私の意思を確認してくれた。
2軒目で飲み直した時、どんな話の流れかは忘れたが、彼が「いやあ、これ言わない方がいいよな…」と下ネタを振ってきそうな雰囲気を醸し出した。「ええ、そこまで言ったら気になるじゃん。何〜?」と返したら、最近性欲が強いこと、どうしても女性の胸の柔らかさを再現したくて色々試していること、たどり着いた結果が自分の二の腕の硬さがそれに似ていると気付き内出血ができるほど吸い付いたことを話してくれた。
彼は話が上手い。ちゃんとオチに向かって期待を高めて聞かせてくれる。彼が欲求不満で自分にキスマークを作っていること(要約するとこういうことでしょ?)を聞いて可愛いと思ってしまった。「じゃあ本物の柔らかさ確かめてみる?」思わず私は彼にこう切り出していた。後から思い返してみればこれが破滅の始まりだったのだ。
「え、いいんすか?え、そういう意味っすよね?本当に大丈夫すか?後悔しない?」彼は動揺しながらも食い気味に畳み掛けるように聞いてくる。「嫌なら私から誘ったりしないよ〜」そこからは周辺のホテル探しが始まった。彼が調べたラブホテルの部屋の画像を見せてくれて、私が選ぶ。
今晩の宿が決まって2人で目的地に向かって歩く。距離を少しでも近付けたい私は彼のジャケットの袖を数cm掴む。その間も「今ならまだ間に合いますよ?」とか聞いてくる。ずるい。ここまで来て引き返すわけがない。
部屋に着いてからも「確認ですけど、本当にいいんですか?別に俺ここで帰ってもらっても構わないっすから」と最終確認をしてくる。早めの集合だったから確かに今から帰っても余裕で終電に間に合う。飲んでいるわりにはかなり冷静だ。好感が持てる。脱線するが、彼が敬語を使う時の「〜っす」「〜すか?」の絶妙なチャラさ加減が可愛くて好きだ。私はどうやらあざと可愛い系男子が好きなようだ。
ああ、ついに職場の後輩とこんな関係を持ってしまった。そしてこの先、彼に魅了されどんどん沼にハマっていくのであった。