マッチングアプリ体験談17-12
●第17話「マグロ男」12
前回の話はこちらから。
官能小説であれば、ここからの描写を細かくするのだろうが、これはあくまで私の体験談。私の書きたい部分に焦点を当て、それ以外は流れが分かる程度に省略する。
これまでに出会ってきた数々のワンナイト君たちやセフレくん(仮)によって鍛え上げられた百戦錬磨の技を発揮した。手でするのは下手なのだが、口でのテクにはご好評をいただくことが多い。誰にも自慢できないし、身に付いたところで自己肯定感が上がるわけではない。むしろこんな自分に嫌気がさす。しかし、端的に言うと私は上手いらしい。
私は男の反応が気になり、口を離して顔を上げる。おしゃべりのトーンで「気持ちいいよ」と言ってくる。これも惜しいよなあ。独り言のように漏れ出る「気持ちいい…」とか、体が反応して動いちゃうとか、呼吸が早くなったことが分かる息遣いとか、そういう自然な姿に萌えるんじゃん。
髪を撫でてくれたり、耳に指を入れたり、ちょっと強引だが両手で頭を抑えられるのもわりと好きだ。この男に限ってそういう私好みのことをしてくれるわけないのはすでに分かってはいたが。
もう十分と思ったタイミングで男が「付けて」と言ってきた。おお、成長したじゃん。箱を開封し、何連かになっている袋をミシン目で切り取り、中身を片方の端に寄せ、袋をちぎって開ける。私が書いているのは性教育のテキストかな?
ゴムの先端を指で摘み、空気が入らないようにして被せる。丸まっている部分をくるくると下ろして沿わせていくのだが、入りきっていない。これ、ヤバいやつじゃね?実践は少ないのだが、大学で性教育の講義を受けており、知識だけはある。この男、Lサイズにも収まらないほどに大きいのか。
「はい、寝て」私が男の出方を探っていると、そう指示された。気遣いもムードの欠片もない言葉。モノ扱いされているように感じた。私は男の快楽のための道具なのか。
その後、一度離れて横向きに寝るよう指示され、後ろから抱き着くような体勢で入ってきた。朝、私を襲おうとした時と同じだ。しばらく動いていた男は「ズレてきちゃってる気がする」と言った。抜いて確認すると、4分の3ほどは覆っていたであろうゴムが外れかけ、もう少しで落ちるところまで来ていた。まずい。
これは避妊に失敗する可能性あるやつじゃん。「あ、これ進◯ゼミでやったやつだ!」状態である。大学の講義で聞いたなあ。この後、私の不安をよそに男は衝撃の言葉を次々と口にした。
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