彼の好きなところ3
好きポイント③綺麗な場所が好き
彼は空間にとてもこだわる。お泊りデートをする時は大抵ホテルで過ごすのだが、必ず部屋の綺麗さや部屋からの眺望を気にする。
ラブホテルやビジネスホテルで安く抑えようという頭は一切ない。そもそもコスパで選べばラブホテルはそこまで安くないのだが。彼が予約するホテルは必ず部屋自体が綺麗な空間で、窓から見える景色もとても美しい。
逢瀬を重ねるようになったのが2020年に入ってからということもあり、外には出ず一緒にいる時間の大半をホテルの部屋で過ごす。そのため、部屋が快適かどうかはかなり重要だ。部屋に着くなりたくさん写真を撮る。私は普段からほとんど写真を撮らない人間なので、様々なアングルでホテルの部屋の写真を撮ってはしゃいでいる彼を見て楽しむ。
お風呂も浴槽が広いことが彼の選ぶ条件だ。毎回、一緒に入る。2人で浴槽に浸かっても全然窮屈に感じない広さが心地よい。好きな人とこんなに密着して過ごすお風呂、なんて気持ちがいいんだろう。そして彼は寝る前に1人でもう一度長湯をする。1人で過ごす時間も必要だからこそ広いお風呂はマストなのだろう。
彼が選ぶ部屋はいつも大きな窓で、都内の景色を見渡せる。夜景を見渡すと本当に素敵な気分になる。大きな窓で視界を遮るものは何もなく、夜景を見渡しながら彼が後ろから抱きしめてくれる。幸せな時間だ。
彼は非日常空間が好きだと言っていた。1人でもよくホテルを利用するらしく、溜まったポイントを利用してホテルの高層階の部屋に安価で泊まれるそうだ。私は彼と会う以外に外に出る予定を入れない人間なので、毎回たくさんの候補を送ってくれる彼が凄いとしか言いようがない。
朝もゆっくり過ごすのだが、大抵彼が先に起きて準備を始めている。2人とも準備が終わった頃、彼の好きな音楽を掛けながらコーヒーを飲んでリラックスする。彼がコーヒーを飲みながら朝の景色を大きな窓から見渡している。夜とは雰囲気が違ってこれもまたいい。私はそんなロマンチストな彼の後ろ姿を見て、言葉では表せない幸福感を噛み締める。
きっと1人にしてほしい時間なのだろうなという想像力を働かせて、後ろからぎゅっと抱き締めたい気持ちを抑える。別にそんなことをして振り払ったり、拒んできたりすることはないのだが、求められていないことは彼の反応で分かる。過去に同じシチュエーションで私が我慢できずに抱きついてしまったことがあったのだ。
彼にとってハグは、行為をするための準備として必要なものの1つという認識なのかもしれない。それを考慮すると、夜は乗り気で、朝の風景を楽しんでいる時にその時間や空間を邪魔されたくないという気持ちは理解できる。また綺麗なホテルに泊まりに行きたくなってしまったので、今回はこのへんで終わりにしよう。