ネットでの危険な出会い体験談6
⬛︎その六「ジャージ男」
ジャンルとしてはいわゆるオフ◯コにあたる。初めは私が一方的に知っており、「この人なんかすごい!」と思い、私から連絡を取った。意外にも近くに住んでいることが分かり、会うことになった。もちろん、お泊りすることは最初から決まっていた。
仕事終わりだと言った男が現れた時に着ていた服装は全身ジャージ。しかもスポーツウェアのおしゃれな感じではなく、着古した学校ジャージといった感じだった。おまけに金髪に染めた頭は地毛が伸びに伸びきって5cmほどのプリン。オタク気質の男は、髪が伸びきって、ジャージもダボっとしており、かなりダサかった。見た目にもっと気を遣いやがれ。
正直、憧れも抱いていた私としてはかなり幻滅した。まあでも時間はあるわけだし、このまま一緒にいてみるか。ごはんを食べ、他愛もない話をし、ホテルに向かう。ちなみにこの男にも経験がないと伝えてあった。つくづく魔性の女である。
ホテルに着き、まずその古びた内装が気になった。ドアを開けた時にタバコ臭さがこもっているし、浴室のタイルの端はカビているし、部屋全体が埃っぽい。こんな所で一晩過ごすのか。帰らなかった私が悪いと諦めた。
男は「入るかな?」なんて気にしている。え、そんなに大きいんですか?あ、違うか。私は初めてって設定だった。ベッドでキスをして、耳や首を攻められる。そう、私が好きなやつだ。
攻守交代となった時、私は自分が気持ち良いと思っている耳や首にキスしてみたのだが、「はい、そんなとこはいいからこっちね。」と顔と手を下半身に誘導された。風情も雰囲気もへったくれもない。
そこから先、あまりに自分の気持ちが乗っていなくて、全く記憶に残っていないのだが、行為後は1人でタバコを吸っていた風景が脳裏に焼き付いている。一番嫌いなやつだ。そもそも私はタバコが嫌いだ。同じ空間で吸われるのが耐えがたい。
翌朝、午前中のうちに起きた私たちは男が好きだという回転寿司チェーンに入ることにした。「平日から回転寿司に開店凸するやつなんか俺ら以外にいねえよなあ。」なんかネットでしか聞かないような言葉を現実世界で使っていることにますます萎えた。店を出てそのまま解散した。ネットで顔出しをせず活動している人に対して幻想を抱くのはやめようと誓った。