彼の好きなところ5
好きポイント⑤デートの下調べに手を抜かない
彼自身が過ごす空間にこだわりを持っているということに大きく関わるとは思うが、遊びに行く場所、ごはんを食べるところ、泊まるホテル全てにおいて抜かりない。彼が選んだ場所で期待はずれだったことは一度もない。
ホテルは毎回夜景が綺麗な高層階の部屋を予約してくれるのだが、事前に候補がいくつか送られてくる。
・部屋の内装の画像
・料金
・アメニティやサービス
・所在地とアクセス
一つの候補に対してこれらの情報を一覧にまとめてLINEで送ってくれる。
大抵、私がその中から気になったものを選ぶのだが、私がどこを選んでも「そこ俺もいいなと思ってた!」という反応をしてくれる。あとは、「ここに行きたいんだけど、一緒に来てくれない?」とURLを送ってくれることもあった。当日になると、「ここは◯階にラウンジがあって…」「ここはこのメニューが有名で…」と調べてあった付加情報を共有してくれるのも嬉しかった。
リサーチ能力が高いので、お店選びも彼に任せていた。彼と会う時は少なくとも半日は一緒にいるので、食事をとる場所も決めてきてくれている。ごはんだけのはずだったのに予定外に私が泊まろうと行った日も、お店でホテルを調べてすぐ予約してくれた。本当に彼のスキルには驚かされる。
一度、ホテルをチェックアウトしてから「時間ある?モーニング食べて行こう」と彼が誘ってくれたことがある。私は歩いてて見つけたところに入ればいいやと思っていたのだが、彼は目的もなく歩くのが嫌いなようで、その時も立ち止まってカフェを調べていた。私も一応スマホで検索をするのだが、どう探していいかが分からず、レビューをしているブログしか出てこなかった。
彼の選ぶお店が美味しいと、彼の選ぶホテルの眺望が良いと、それだけで「わあ、すごい…」とときめいた。また、彼が私と過ごすためにこんなに調べていてくれると想像するだけでとても嬉しかった。仮に、彼自身が自分のために調べているのだとしても、私にプレゼンできるだけの情報を頭に入れてあるという事実がすでに私にとっては好きなポイントになるのである。
私が調べたところをやんわりと断られていくうちに、自然とリサーチは彼の担当になっていった。私は自己肯定感の低い人間ではあるが、彼とのリサーチ能力を比べて自分を卑下することはなかった。彼と関わっていると、自分の嫌な部分ではなく、彼の素敵な部分に目を向けるようになっていた。人の魅力を見つけては心が温かくなる経験をさせてくれた彼に感謝している。