突然、推しから呼び出されました… 後編
珠美:ねぇ、〇〇さん、このまま2人で抜け出さない?
僕にだけ聞こえる声で、たまちゃんは言った
〇〇:え…ま…まじですか?…
〇〇:僕はいいですけど…
珠美:じゃあ、決定ね
珠美:トイレ行ってくる
梅澤:わかった、行ってらっしゃい
たまちゃんはアイコンタクトをして部屋を出た
それを受け取って
〇〇:すいません、僕もトイレ行ってきますね
梅澤:どうぞ〜
僕も部屋を出た
久保:多分あの2人、やったよね笑
梅澤:うん笑やってると思う笑
久保:まあ、珠美も〇〇さんのこと気になってたしね
梅澤:好きにさせておこうか笑
僕らは、打ち上げを抜け出して、少しだけ歩いてまた居酒屋に入った
〇〇:それじゃ…
2人:乾杯!
僕はまだ、20歳ではないのでカルピスだ
珠美:ごめんね
〇〇:ん?何がですか?
珠美:たまみのわがままに付き合ってもらっちゃって
〇〇:いやいや、僕は推しと一緒にいられることほど幸せなことは無いですよ…
珠美:ほんとに、いい子だね…
〇〇:いやいや〜、全然ですよ僕なんて…
珠美:なんか、〇〇さんの事が気になっちゃって、スタッフさんに頼んで呼んでもらったんだ
〇〇:どうして気になったんですか?
〇〇:僕は、リアイベには毎年行ってますけど、ミーグリとかそういうのは1回も行ってないじゃないですか
珠美:実はたまみもわからないんだ
珠美:なんか気になった、ただそれだけだよ
〇〇:なるほど…
珠美:納得するんだ笑
〇〇:まあ、そんなこともありますからね
〇〇:僕もよくあるので、そういうことは
珠美:は〜、やっぱり〇〇さんと一緒にいると落ち着くな…
〇〇:それは、良かったです
珠美:よく、優しいって言われない?
〇〇:そうですね、結構言われますね
珠美:〇〇さんみたいな人が、報われるというかそんな世界であって欲しいなって思う
〇〇:僕が大事にしてるのは
〇〇:他人にいいことしてたら、自分に何かしらの形で返ってくる
〇〇:努力したら、努力した分だけ返ってくる
〇〇:そう思って日々生きてますよ
〇〇:まだ成人もしてない人が言っても説得力ないですけど…笑
珠美:そんなことないよ、たまみもそう思ってる
珠美:努力してたらいい事あるよって
珠美:たまみが証明する
珠美:約束するよ!
〇〇:ありがとうございます…
〇〇:たまちゃんなら、きっと証明できると信じてます!
〇〇:僕も証明出来るように頑張ります
珠美:お互い、頑張ろうね
こんなに、推しと深い話をするとは思ってなかった
でも嬉しかった
素のたまちゃんを見ることができて…
珠美:やばい、だいぶ酔っちゃった…
〇〇:そろそろ、帰りましょうか
珠美:うん…
珠美:〇〇さん、ぎゅーして?…
〇〇:ちょっと…何言ってるんですか…
〇〇:酔いすぎですって…
珠美:え〜、〇〇さんたまみのこと嫌いなの?…
〇〇:そんなわけないじゃないですか…
〇〇:…大好きですよ…
珠美:えへへ〜
たまちゃんは、ちゃんと聞いてたのか聞いてないのか分からない返事をしてきた
〇〇:もう…
〇〇:これで次の日記憶ないとか言ったら許さないですよ?笑
珠美:大丈夫だよ
珠美:だってたまみ、今日すっごく楽しかったから
〇〇:約束、覚えててくださいね
珠美:うん、もちろん
〇〇:じゃあ帰りましょ
僕達はお会計を済ませ、店を出た
〇〇:じゃあ気をつけて帰ってくださいね
珠美:うん、今日はほんとにありがとう
珠美:また、東京に来た時はまたご飯でも行こうね
〇〇:はい、もちろん
〇〇:というか、誘ってもいいんですか?…
珠美:うん、いつでも待ってるよ
〇〇:じゃあ、東京行く時は連絡しますね
珠美:じゃあバイバイまたね👋
〇〇:はい、どこかでまた👋
2人は解散した
〇〇:(幸せな時間だったな〜)
多分、この日のことは一生忘れないだろう
月日が経ち…
〇〇:たまちゃんもついに卒業か~
僕は、卒セレに招待され、会場に来た
あれから、僕が東京に遊びに来たときは毎回たまちゃんとご飯に行く仲になっていた
色々と、推し活してきた日々を思い出しながらたまちゃんを見守っていた
そして、たまちゃんのスピーチが始まる
珠美:皆さん、卒セレにお集まり頂きありがとうございます
珠美:今日こうやって、何も問題もなく卒セレを開演できることをとても嬉しく思います
珠美:突然ですが、1つお話をさせてください
珠美:ある日ですね…
珠美:とある方と、一緒にご飯に行った時があったんです
珠美:その子は、私よりも年下で当時はまだ成人もしてなかった子なんですけど
珠美:その時に、言われた言葉が
珠美:他人にいいことしてたら、自分に何かしらの形で帰ってくる
珠美:努力したら、努力した分だけ返ってくる
珠美:そう思って、日々生きてます
珠美:と言ってきました
珠美:その言葉を、その子から聞いた時に
珠美:そんな子が、報われて欲しい
珠美:そんな世界であって欲しいと思いました
珠美:その子は、成人もしてない人が言ってもなんて言ってたけど
珠美:私もその通りだと思うし、いつかそれを証明したいと思って乃木坂の活動を頑張ってきました
珠美:実際、証明できたかどうかは分かりません
珠美:けど、少なくとも乃木坂の活動をしてきて幸せだったと思えました
珠美:もうこれ以上はないなと
珠美:そう思ったので、卒業を決心しました
珠美:長々と、私の話を聞いてくださりありがとうございました
珠美:まだまだ、盛り上がっていきますので、是非皆さん私と一緒に坂を登りきってくださると嬉しいです!
珠美:続いては…
たまちゃんのスピーチを聞いてた僕は、涙が出ないはずもなく
僕は、号泣してしまった
終わったら挨拶に行かなきゃな…
最後まで、たまちゃんの良さが出てた卒セレが今終わった
僕は、たまちゃんが来るのを待っていた
しばらくすると…
珠美:あ、〇〇さんだ!
〇〇:たまちゃん、卒セレお疲れ様でした!
珠美:ありがと〜
〇〇:さすがに泣きますよ〜…あれは…
〇〇:まさか、あの時のことを話すなんて思わなかったです…
珠美:ちょっとどうしても話したかったから
〇〇:あ、そうそう
〇〇:たまちゃん、ちょっといいですか?
珠美:うん、いいけど…
〇〇:たまちゃんに手紙書いたので読みますね
珠美:え〜!
僕は封筒から手紙を出して開く
〇〇:じゃあ、読みますね
珠美:うん
〇〇:たまちゃんへ
〇〇:まずは、改めてご卒業おめでとうございます
〇〇:手紙じゃなくて、直接普通に伝えようかとも思ったんですが
〇〇:僕って意外と忘れっぽくて、本当に伝えたかったことも忘れてしまいそうだなと思ったので、手紙に書くことにしました
〇〇:僕は、たまちゃんに出会った時から、ずっとずっと幸せでした
〇〇:たまちゃんが笑っていてくれるだけで、僕も笑顔になってその日の疲れも全部吹き飛ぶ
〇〇:そんな日々が、ずっと続くだけでも幸せでした
〇〇:ですが、ある日突然…
〇〇:たまちゃんからいきなり呼び出しを受けて
〇〇:何かしたかな…とか思ってたら、打ち上げのお誘い
〇〇:正直、めちゃくちゃびっくりしました
〇〇:でも、それと同時に、めちゃくちゃ嬉しかったです
〇〇:多分、あの日のことは、一生の思い出になると思います
〇〇:あの時、誘ってくださって本当にありがとうございました
〇〇:そして、卒セレ
〇〇:いつも以上に、めちゃくちゃ綺麗でした
〇〇:改めて、推してて良かったと思った瞬間でした
〇〇:あの日の約束、覚えてたんですね
〇〇:たまちゃんは、証明出来たかどうか分からないって言ってましたけど…
〇〇:十分証明できてると思います
〇〇:僕は、ずっと影から頑張ってる姿を見ることしか出来なかったですけど…
〇〇:あの日の約束を、果たしてくれてありがとうございます
〇〇:本当に勇気をもらいました
〇〇:卒業しても、ずっとだいすこですし
〇〇:これからも、ずっと幸せでいてください
〇〇より
たまちゃんの目には、涙で溢れていた
珠美:ありがとう…
〇〇:あ〜泣かないでください〜笑
〇〇:まだ、あるので
珠美:まだ何かあるの?
〇〇:この手紙は、オタク〇〇としての手紙です
〇〇:今からは、僕〇〇として伝えたいことがあります
珠美:え?
〇〇:ずっと幸せでいてくださいと最後に言いましたが
〇〇:絶対に僕がたまちゃんを幸せします
〇〇:僕と…
〇〇:''付き合ってくれませんか?''
僕は手を差し出す
少し間があり…
差し出した手にしっかりと握られた感覚があった
〇〇:!!
珠美:絶対に幸せにしてね!
〇〇:…はい!頑張ります!
僕は、人生で1番かもしれないくらい、涙が滝のように流れてきた
珠美:あははっ、〇〇さん泣きすぎだよ笑
〇〇:そういうたまちゃんも、泣いてるじゃないですか〜笑
〇〇:は~…めっちゃ緊張した…
珠美:〇〇さん、本当にありがとうね
〇〇:こちらこそ、ありがとうございます
珠美:でもね、一つだけ間違ってるよ
〇〇:え?
珠美:私だけ、幸せになっても嫌だ…
珠美:二人で幸せになるんだよ
〇〇:たまちゃん…
多分、たまちゃんには一生勝てないんだろうな…
〇〇:心からだいすこです!
珠美:たまみもだいすこだよ~!
ギュッ…
fin…
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