アルスエレクトロニカ
2019年に9月にリンツに行ったときに、アルスエレクトロニカ(Ars Electronica)にも行ってみました。アートとテクノロジーと社会を融合させた施設で、メディアアートの聖地のような場所です。
地下はフロアすべてがAI(人工知能)に関する展示で、圧巻でした!
一番の目立つ展示は、「畳みこみニューラルネットワーク」と呼ばれるもの。AIの基本的な仕組みに「ニューラルネットワーク」があるのですが、これは脳内にある神経細胞(ニューロン)のつながりである神経回路網を人工ニューロンという数式的なモデルで表現したものです。これが「ディープラーニング」「機械学習」に応用されます。
「畳みこみニューラルネットワーク」は画像認識によく使われていて、元の画像の情報をピクセル単位で特徴づけることができます。これはゾウとヤギとキツネの情報だそうです。
こちらは猫の絵を描くと、そこからリアルな猫を想像できるというもの。犯人を見たかもという人に似顔絵を描いてもらって、人物を特定するのに役立ちそうですね。
自分を山の風景にするというもの。
単語が脳のどこに格納されていて、どのように取り出されているかを示す”Brain Dictionary”のビデオ(科学雑誌のネイチャー制作)。
NHKとも共同開発しているシアター”Deep Space 8K”でのエキサイティングな体験に、まさかの明和電機の「オタマトーン」との遭遇(明和電機はアルスエレクトロニカでさまざまな賞をもらっているそうです)。日本のiPS細胞研究についてのコーナーもあったりと、いろいろと親近感を覚えました(笑)。
アルスエレクトロニカでは毎年9月前半にアルスエレクトロニカフェスティバルを開催しています。その一環で、昨年はザンクトフローリアン修道院の大聖堂でAIと音楽に関するイベントが行われました。また、ザンクトフローリアンの修道士で第一オルガニストのクラウス・ゾンライトナーさんもAIと音楽のイベントに出演されていました。
今年2020年のアルスエレクトロニカフェスティバルは、”In Kepler's Gardens”と題し、世界120ヵ所を「庭」に見立てて、オンラインで行われます。AIと音楽のイベントは去年の大成功を受けて、今回はブリュッセル、シリコンバレーとパリをつないで行われるそうです。なお、日本は東京と山口の情報芸術センター(YCAM)が会場だそうです。9月9日から13日まで、楽しみですね!!
https://ars.electronica.art/keplersgardens/en/
https://ars.electronica.art/keplersgardens/tokyo/
https://ars.electronica.art/keplersgardens/en/garden-of-threads/