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「EMANON」の意味 - 精神疾患に対する匿名の悪意は希望へ変わりうるのか?

私のプロフィールに常に刻まれている6文字の英単語「EMANON」。
意味を尋ねられることも多く、改めてここでお話したいと思う。

それは単なる会社名でも、コミュニティの名称でもない。そこには、私の人生の「価値観」が大きく反映されている。



人は誰しも、青春時代に出会った音楽とともに生きていく——このような言葉を耳にしたことはないだろうか。
私にとって、これほど深く心に響く真理はない。

私の青春の記憶は、まるでサザンオールスターズの楽曲で彩られた1冊のアルバムのようである。

喜びに満ちた瞬間も、切なさに満ちた時も、その記憶のバックグラウンドではいつもサザンの音楽が流れている。彼らの歌声と詩は、私のDNAの一部となり、永遠に消えることはないと確信している。

実は、「EMANON」という言葉との出会いも、サザンの楽曲を通してだった。

"砂の浜辺で口づけた ひとときを思い出せば 面影が目の前をかすめて 胸の痛みに変わる"

サザンオールスターズ「EMANON」

この歌詞に込められた純粋な感情と青春の輝きは、今でも私の心を揺さぶる。ただ、当時は、この不思議な曲名の真意を知る由もなかった。

後にインターネットで「EMANONはNONAMEの逆さ読み」だと知った時も、それは単なる言葉遊びの一つとして私の中を通り過ぎていった。

しかし、人生は思わぬ形で意味を見出させてくれるものである。

世界一周という夢を実現した後、私は新たな人生の指針を求めていた。
そんな中で始めたTwitterでのメンタルヘルスに関する発信が、予想以上の反響を呼んだ。

精神疾患と向き合う人々の声、そして誤解や偏見に苦しむ人々の思いが、私のもとに届き始めた。

日本のインターネット文化では、匿名の存在を「名無しさん」と呼ぶ。NONAME—— 顔も名前も持たない存在たち。時として、その匿名性は誹謗中傷や偏見の温床となる。

しかし、私は自身の活動を通し、正しい知識と理解があれば、このNONAMEたちは、温かな共感と支援を分かち合える存在へと変容しうることを知った。

TwitterからVoicyへと発信の場を変える中で、それはさらに確信めいたものへ変化していった。

そこで私は、NONAMEを反転させた「EMANON」という名を、この新たな挑戦に授けることにした。それは単なる言葉遊びではない。匿名の悪意が反転しうるという希望を表現している。

今なお、多くの精神疾患を持つ人々は、見えない悪意や偏見と戦っている。

私の使命は、そんな人々に寄り添い、共に歩み続けること。「EMANON」という名には、そんな決意と願いが込められている。

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精神科医kagshun/EMANON
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