第11章後半の解説
この章は節ごとに分けて解説していこうと考えていましたが、後半はそれほど詳しく説明することがなかったのでひとまとめにしました。とても短い記事ですので価格を最小設定にまで下げております。
ポテンシャル勾配による反射 (11.4節)
古典力学では、ポテンシャルの窪みがあるところを粒子が通過するのに何の障害もありませんでした。ポテンシャルの坂を駆け下りることで運動エネルギーを得て一時的に加速するくらいの影響があるだけで、確実に通過できます。ところが量子力学では、そのような場合でも粒子の幾分かは反射されてもと来た方向へ戻っていってしまいます。
これは前の節で導いたトンネル効果の反射率の計算式がそのまま使えます。トンネル効果の計算では正の値のポテンシャル障壁を用意しましたが、それをそのまま負の値に変えれば良いだけです。前の節で具体的なイメージに頼らずまったく論理的に導いたお陰で、同じ論理が成り立ち、一から考え直す必要がありません。
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