職業調べ導入授業
[カードソートについて]
以前から、職業調べ導入にはカードソートを行っています。
先日予定していた中学校では、学級閉鎖が出て中止になってしまったカードソートですが、ツールとして…
〇知らなかった職業を知れる(職業理解)
〇自分がそれを見て、どう感じる、考えるかを知れる(自己理解.職業的価値観)
○他者と関わることで、他者がどんな考えを持つのかを知れる(他者理解)
に使えます。
使用するのは、OHBYカードです。
https://www.jil.go.jp/institute/seika/ohby/index.html
いろいろな職業について、文章での説明と、写真とイラストと分類で表されています。
本来の使い方は、被験者がカードを見て「選択する」「選択しない」に分け、その後に質問でそれぞれの理由を聞き取りながら、掘り下げて行くものです。
が、その使い方だと消去法みたいで、何も残らないこともあるし、「じゃあ、その求人ってあるんかい?」ってことも思うので、普段の職業相談には使いません。
中学生に使って行うのは、グループで話し合うツールとしてでもあり、知らなかった物を知るためでもあり、自分がそれを見てどう感じるのかを味わってもらうためでもあります。
私がこれを好きなのは、説明の文章が辞書的な文章だから。誰かの意図や主観や価値観が漂う物では、それが自分の中を掘り下げて行くことの邪魔になると考えているからです。
例えば、その職業をしている人のやりがいとかを感じてしまうものは、「そういう風に感じるのがやりがいってことなんだ」とか、身近な大人が「これいいなー」などと言ってしまうのを聞いたら、大人がそう言うんだから、そう答えるのが正解なんだなどと誤学習する可能性があります。
それでは、自分の価値観ではなく、誰かの価値観をなぞって生きていくことになるのではないかと思います。
そうならないためにも、提示する情報はどちらにも寄らないもの、フラットなものであることが必要だと考えています。
グループに渡して、並べてみて!というと、様々な並べ方で盛り上がってました。リーダーの生徒の見やすい向きにだけ並べるグループ、百人一首みたいに半分ずつ向きを変えたグループ、みんなで見るためにはと考えたのかぐるぐると並べたグループ。どのグループもわいわいと話し合いながら、あーしよう、こーしようと盛り上がってました。
わいわいと話し合う中で、自分と違う感じ方をする人が居るんだなと気づいてもらえたら嬉しいです。