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【書評】『成熟とともに限りある時を生きる』 今を味わう大切さ

 皆さん、こんにちは。えむ@非常勤講師&受験アドバイザーです。

 一週間って本当にあっという間ですね。お天気には恵まれませんでしたが、割と暖かい週末です。さて、土曜日ということで書評です。今回はドミニック・ローホー著『成熟とともに限りあるときを生きる』です。

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 今回書評で取り上げるにあたって、改めて著者の来歴を調べてみました。Amazonでは以下のように説明されています。

ドミニック・ローホー――著述業。
フランスに生まれる。ソルボンヌ大学で修士号を取得し、イギリスのソールズベリーグラマースクール、アメリカのミズーリ州立大学、日本の仏教系大学で教鞭をとる。アメリカと日本でヨガを学び、禅の修行や墨絵の習得などをとおし、日本の精神文化への理解を深めてきた。

Amazon『成熟とともに限りある時を生きる』商品の説明「著者について」より

 日本の大学でも教えていた経験がおありとのこと、初めて知りました。どおりで、本書やその他の彼女の書籍には日本の文化や伝統などへの言及が多いはずです。彼女の考え方自体、何か日本的な感覚に近いなぁと思っていたのです。

 本書では、有限の人生をどうしたら心豊かに生きていけるのかという問題について、様々な観点から考察します。「ゆったりと、今を味わうこと」、「他者に関心を持ち、親切にすること」等など。それらが自分の内側から幸福を生み出してくれると彼女は述べます。

 とかく騒々しい世の中です。そして何もかもが目まぐるしい速さで過ぎ去っていきます。コスパ、タイパなどという言葉がもてはやされ、いかに手早く、効率よく、そして無駄なく物事を達成できるかに血道をあげている、そんなふうに見えるこのご時世。

 手元のスマホばかり覗いていては、車窓から見える虹に気づかない。耳をイヤホンで塞いだままでは、誰かの小さな呼びかけにも反応できない。テクノロジーの発達は確かに人間を豊かにしてくれているけれど、同時に貧しくもしていると思います。

 本書を読んで、あらためて「激流」ともいえる現代社会での生活の見直しが必要なのではないかと感じました。時には立ち止まって、ゆっくり深呼吸でもして、周囲の些細な出来事に目を配り、少々非効率だったり、生産性がなかったりすることに夢中になる…。そんなことも大事ですよね。

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