通勤日記9/13 「やさしいんだけどね」
よく「やさしいんだけどね」と言ってしまう。これは明らかに、誰かの悪口を言っている証拠だ。「やさしいんだけど」の前に、悪口以外のセリフがやってくることがあるだろうか。
誰の悪口を言っているかも、自分でわかっている。会社の同僚だ。
早口でものすごくよく話す同僚がいて、まあ本当に心根のやさしい人なのだが、いかんせん大声かつ早口でぶぁーっと自分の知識をまくしたてるので、仕事の支障になりかねない。しかも自分に関係のない業務の話にもすべて入ってきて、ぶぁーっと話す。
私なんかは、ついスルーしてしまうんだけど、うちの部署には菩薩みたいな包容力を持つ人たちが複数いて、みんなやさしく返すので彼はいっそう盛り上がる。
彼が出社する日は限られているので、その日は大体、「他部署からしたらうるさいよねえ」「どんな話でも入ってくるよねえ」とか言って、そのあとに例のセリフがつづくのだ。
こういう場合、元の悪口と、悪口の言い訳の割合が、3:7くらいになってしまう。ささっと悪口を言って、くどくど言い訳をする。
悪口そのものは相手に対することだけど、言い訳は「自分は悪口言っているけど、そんなに悪いやつではないんですよ、ほらこういうこともわかって言っているし」というアピールなので、7割は自分の話をしているようなものだ。
しかも「悪口から読み取られるのは、その対象ではなく発信元の性格」というから、私は誰かの悪口を言いたいがために、その倍以上の自分の話をし、自分のいやな性格を露呈していることになる。
それでもやめられないんだよな。悪口も言い訳も。
悪口10で言い訳0、みたいなすっきりした人間になりたい。
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