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商品・サービス名を決める時に絶対に意識すべきたった1つのこと

起業でもっとも重要な意思決定の一つが、商品やサービスのネーミングだ。もちろん綿密な事業計画の作成や業務オペレーションの構築など、事業運営に欠かせない要素は他にもある。さりとて商品名・サービス名(長いので以下「商品名」で統一する)こそが事業コンセプトの画竜点睛と言っても過言ではないだろう。

この記事では20代にして年商1億円を越え、業界平均を超える利益率の事業を作った俺が考える、「商品名を決める際に必ず意識すべきポイント」を1つだけ教えたい。ただポイントを教えるだけでなく、実際の商品・サービスの事例を挙げながら解説もしているので、イメージが掴みやすいはずだ。すでにアイデアはあるがネーミングに悩んでいる人はもちろん、起業や新規事業に興味がある人にとっても役にたつだろう。

ちなみに初投稿では比較的丁寧な文体で書いたが、今日からはもう少し人となりが伝わるように、ややフランクな文体にしている。こっちの方が良いという意見、いやいやカジュアルすぎるから前に戻せという意見、どちらも歓迎なのでぜひコメントしてほしい。


結論: お客様が一発で覚えて検索してくれる名前にしろ!!!

もうこれに尽きる。BtoBでもBtoCでも同じだ。お前の商品名がお客様の頭の中の引き出しの一番上に入っている状態を作るんだ。何故その必要があるかは後述するので、まずは「お客様が一発で覚えて検索してくれる商品名」とは何かを説明しよう。

お客様が一発で覚えて検索してくれる商品名の特徴4つ

俺が思うに、お客様が一発で覚えてくれる商品名には4つの要素がある。全ての要素を満たす必要はないが、多くを満たすほど良いと言えるだろう。

①商品名から機能が明らかにわかる

お客様が「これって何のサービスなんだろう?」と疑問に思う余地をなくそう。例えば整体院なら「整体」とか「ほぐし」といったキーワードが商品名に入っているべきだ。

お前が考えている以上にお客様の時間というのは貴重だ。彼らが手にしているスマホからは、最新のニュースや友達の動向、はたまたちょっとエッチな広告など、集中力を削ぐありとあらゆる刺激が日夜送られている。そんな彼らの貴重な時間をいただく以上、「どんな悩みを解決してくれる商品なのか」が一発でわからないとすぐに競合に埋もれてしまうだろう。

②長すぎない(目安は10音以下)

これはもうシンプルで、長いと覚えてもらえない。①でも触れたとおり、現代のお客様は忙しい。音にして15文字(理想は10音)を超えるような商品名はまず覚えてもらえないだろう。

ちなみに「短い」ではなく「長すぎない」としたのは、短さにこだわると①が疎かになりがちだからだ。お客様が覚えられる長さであれば短すぎる必要はない。むしろ10音の制限を使って最大限に商品の特徴が伝わる名前を考えるべきだ。

③独特の響きがある

ついうっかり声に出したくなるような商品名はお客様の心をぐっと掴んで離さない。また、ふとしたときに思う足してもらえる可能性もある。これが上手いのが小林製薬の各種商品だろう。注意すべきは、必ずしもおしゃれな商品名である必要はないということだ。むしろちょっとダサい方が覚えてもらいやすい場合もある。

キーワードの考え方のコツとしては、
- 韻を踏む
- 矛盾する2つのキーワードを組み合わせる
- ダジャレ
- 漢字などの保守的な要素とカタカナなどのポップな要素を組み合わせる
などがあるが、各自のセンスによる部分も大きい。また、俺のやり方が絶対的な正解というわけでもないため、詳細は割愛する。

④「表記ゆれ」がない

商品名を一発で覚えてもらえても、それを正しく検索してもらわなければ何の意味もない。検索してもらう上で重要なことはたった一つで、「表記ゆれしにくい」商品名にすべきだ。

例えばユニクロの商品をお客様が調べるときに、カタカナの「ユニクロ」とアルファベットの「UNIQLO」で検索する人が分散しないことが重要だ。日本人がアルファベットの「UNIQLO」で検索する人はほぼいないだろう。それくらいカタカナの「ユニクロ」が浸透しているということだ。

表記ゆれはカタカナ⇔アルファベットだけでなく、漢字⇔ひらがな、ひらがな⇔カタカナでも発生する。中途半端に捻って当て字を使ったりせず、王道の読み方ができる商品名にしよう。小学生の頃のクラス全員が一言一句同じキーワードで検索できるかどうかをイメージすると良い。

ここまでが「お客様が一発で覚えて検索してくれる名前」の特徴だ。ここからは何故そうする必要があるのか、そして俺目線でイケてると思う商品名の実例を紹介する。

なぜ「一発で覚えて検索してくれる商品名」が必要なのか

理由① 指名検索が増え、集客コストが下がる

事業をやっている人間なら同意してくれるはずだが、基本的に集客には金がかかる。例えばチラシのポスティングの反応率は0.01%〜0.3%が相場だ。1枚1円で作成して2.5円で配布しても、反応率0.02%なら3.5円/枚×5,000枚=17,500円もの集客費用がかかる。チラシのクリエイティブや配布地域を工夫しても、お客様一人を獲得するのに数千円がかかることなんてザラにある。

これがもし、お前のサービスを知ってる人が生まれたとしたらどうだろうか?彼らは自分たちでお前のサービス名を検索してHPから問い合わせたり、電話をかけてくれる。すなわちほぼコストゼロで集客できるのだ。このようにバイネームでサービスを調べることを「指名検索」と呼ぶ。お客様が覚えやすい名前にすることはこの指名検索をより強固にし、結果的にお前の事業の収益性をグッと高めてくれる。

理由② SEOで無駄なコストが生じることを回避できる

これは特徴④の表記ゆれと密接に関係する論点だが、表記ゆれがあったり正確に覚えてもらえないとネットでの検索キーワードがばらけてしまう。わかりやすい商品名にして、単一のキーワードで調べてもらえるようにあらかじめ導線を設計できれば、無駄な広告費用を押さえて効率的に集客できる。

ちなみにこの表記ゆれを元に後からサービス名を変更した事例がある。それがネットで家電などをレンタルできるサービス「レンティオ」だ。

彼らはもともと「Rentio」としてサービスを運営していたが、アルファベットでの検索とカタカナでの検索が混在していた。日本人にとって親しみのあるカタカナ「レンティオ」に統一してからは有効な口コミの件数が増えるといった効果が発生しているそうだ。詳細は以下の記事を見てほしい。

さて、ここまでで記事の本編はおしまいだ。商品名を決める際のポイントが伝わっただろうか。

最後に、個人的にイケてると思う商品名を3つ紹介して、この記事の終わりとしたい。あなたのサービス名を考える上で参考にしてほしい。

個人的にイケてると思うサービス名3選

(再掲)お客様が一発で覚えて検索してくれる商品名の特徴4つ
①商品名から機能が明らかにわかる
②長すぎない(目安は10音以下)
③独特の響きがある
④「表記ゆれ」がない

おたからや ーブランド品の買取専門店ー

ブランド品の買取領域のサービスは多いが、大抵は「買取〇〇」のような名前だ。おたからやは、特徴①こそ少し弱いかもしれないが、②③④を完璧に充足している。長さはわずか5文字で、「おたから」というワクワク感のある響きを持ち、そしてひらがなのみで表記ゆれが発生しようがない(「お宝屋」とかで検索する人はいるかもしれないが)。

そして、一度ブランド品の買取専門店であることを理解すればなぜ「おたからや」なのかがすぐに腹落ちし、どんなサービスなのかお客様も理解できるだろう。最近はサイトでも「買取専門店の」という枕詞をつけることで①を補強しているようだ。

ケシミン ーシミ・そばかすを消すための化粧品ー

テレビCMで目にすることも多い小林製薬のケシミンだが、①〜④すべての特徴を持っていると言えるだろう。医薬品・化粧品はともすると広告宣伝費の殴り合いになりがちな領域だが、独特のネーミングによってお客様の第一想起を獲得することで集客コストはかなり効率化されているのではないだろうか。

小林製薬の商品は他にも内臓脂肪の燃焼を助ける「ナイシトール」など優れたネーミングのものが多いので、ぜひチェックしてほしい。

Sauna-Tokyo(サウナ東京) ー赤坂のサウナー

最後は少し変則的だが、赤坂にあるサウナ「Sauna-Tokyo(サウナ東京)」を招待したい。Sauna-Tokyo(サウナ東京)は①機能のわかりやすさ②長さが優れているが、特に秀逸なのは④表記ゆれを逆手に取っている点だ。

アルファベットと日本語(カタカナ+感じ)をサービス名に併記することで、どのように検索されてもヒットする。近年のインバウンド需要にも対応できる妙手と言えるだろう。また、サービス名を知らない人が都内のサウナを検索するときに「サウナ 東京」で検索した場合でもこのサービスが上位に表示されるため、非常に巧妙にSEOを活用していると言える。

上記の3つ以外にも優れた名称を持つ商品・サービスは世の中にたくさんある。自分なりにリサーチをして、彼らの良いところを参考にしてほしい。「他にこんな良い商品名の商品を見つけた!」という発見があれば、ぜひコメントしてくれ。

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