【全体編】映画あつもの(監督・脚本池端俊策)上映イベントー麒麟がくるの理解深まる一
2023年3月、1999年公開 池端先生唯一監督作品「あつもの」の上映会があった。先生と一緒に作品を観た後に、お話も聞けるという貴重な機会だった。トークコーナーでは、先生の幼少期からの話、脚本家に至るまでの話、日本映画史として貴重な話、そして『「麒麟がくる」の明智光秀の言葉は全部自分のセリフです」』という麒麟ファンの心にぐっとくる発言を伺うことができた。
とても興味深いイベントだったので2つに分けてまとめ
【全体編】 イベント内容/会場の様子/映画上映/感想 等
【トーク編】池端先生トーク こちら
イベント:特集上映
「脚本で観る日本映画史 〜名作からカルトまで〜」
第6弾
主催:日本シナリオ作家協会
開催:2023年3月18日
上映作品:映画『あつもの』
(脚本・監督=池端俊策)
ゲストトーク:池端俊策さん、司会:井土紀州さん
池端氏サイン会開催
『あつもの』脚本掲載の月刊シナリオ最新号の販売
◼️上映会・トークイベントについて
場所
アテネ・フランセ文化センター講堂4F 130席
「アテネ・フランセ」という単館映画館的なところ?と想像していた。実際は学校のような感じで当日、別の階では語学講座が開催されていた。建物内の部屋の一つが、映画上映できる部屋ということで、イメージとのギャップがあった。
□会場入り〜あつもの上映終了まで
会場に入る
上映会場入口に(あつもの)の大きなポスターがあり、近くで(あつもの)の脚本掲載「月間シナリオ」を販売していた。こういった本を手にする機会が滅多にないので購入。会場に入る
座席につく
コンパクトな会場。「関係者席」と書いてある席が。もしかして池端先生の席?!と思いながら席について上映を待つ。
近くの席から聞き覚えのある声が。池端先生!!癒しボイス間こえてきた〜!関係者と思われる方と話されていた。しかも、先生と話されている方の中には、おそらく(あつもの)出演者の小島聖さんも。やはり関係者席は先生の席だった。先生の席とても近い。なんと、池端先生と映画を一緒に見るパターンだったと判明
映画「あつもの」上映開始
池端先生と近い距離でこれから一緒に映画見るというドキドキ状態で映画が始まる
-上映時間122分-
映画「あつもの」上映終了
エンドロールが終わり、一同拍手。
(先生ご本人に直接拍手できるという喜び!)
池端先生トークパート
別途まとめ
先生のサイン会
トーク後にサイン会があるとは知らずに参加していた。購入した月間シナリオにサインをもらおうと列に並ぶと、皆さん、池端先生のファンor 関係者 or 脚本を学ばれている方といった感じで先生とお話が弾まれていた。私は「蕨市の講演会とっても良かったです!」とお伝えするのが精一杯。でも、先生から「そうなんですか!」という嬉しそうなリアクションのお言葉(喜びで記憶曖昧)と笑顔がもらえた。とても嬉しかった。
◼️映画「あつもの」を見て
□とにかく衝撃展開の連続 映画「あつもの」
軽いあらすじだけを知った状態で鑑賞。予想だにしない衝撃展開の連続で2時間あっという間だった。上映中(会場内に監督した先生ご本人がいらっしゃるのだよな〜~)と何度思っただろう。
衝撃シーンの度に「先生?! ?!」と先生の方を向きたい衝動 笑 どのような表情でご覧になっているのか気になり過ぎた。
90年代独特の空気感、ゴールデンタイム ではNG であろうシーンなど、ほぼ、麒麟がくるや太平記(途中)だけのイメージだけ携えて見たような自分には “想像だにしない世界観” 穏やかな雰囲気の先生から生み出された狂気の連続。先生のイマジネーション凄過ぎる
とにかく見終わっての感想は、
先生のこと、ごく一部しか知らない…
先生の他の作品がひじょーーーに気になる!だった
□「あつもの」を見て「麒麟がくる」の理解深まる
今回の上映会は、蕨市の講演会で先生が「麒麟がくる」の制作秘話を聞いた後のタイミングで、
「麒麟がくる」と「あつもの」に流れる共通のテーマを把握していた。あのお話を伺わずに観ていたら、表面的な強烈感だけに驚くばかりで、共通のテーマだとは気づかずにいだだろう
蕨市の講演で「脚本とは人間を描くもの究極は出てくる人間がどういった生き方をするのか、人生はそういうものだと、少しでも分かってもらえればいい。脚本とは人間を描くのが最終テーマ」とおっしゃっていた。まさに、人間を描いた作品「あつもの」
こういった世界観を生み出せる、池端先生だからこその ”麒麟がくる” なのだなぁと。麒麟の理解がまた深まった。先生渾身の監督作、このタイミングで、しかもスクリーンで没入して見られて本当に良かった。
◼️今回の上映会参加の経緯
2023年1月蕨市の講演で、池端先生唯一の監督作映画(あつもの)の話を聞き、(麒麟がくる)の世界観をさらに理解するうえで先生の他の作品も見たい。特に、盟友の緒方さんとの作品は必ず見なければと思っていた。
(あつもの)の配信があったので見ようと思っていたところ、たまたま、まさかの25年前の作品 (あつもの)上映情報をキャッチ。しかも池端先生のトーク付き!二度見。1999年の作品を映画館で見られるレア体験。これは絶対見たい。
蕨市の講演に行って、ゆっくり丁寧な口調とユーモアあるお話、とてもチャーミングなお人柄を知り、何よりも先生自身のファンになってしまった。先生のトーク、どのジャンル・角度の話でもよいので伺いたかった
◼️池端先生 連続でのイベント登壇 まとめ
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◼️シナリオ協会の定期上映について
初めて知ったシナリオ協会主催での定期イベント
今回は、特集上映「脚本で観る日本映画史~名作からカルトまで〜」の開催6弾目だった
イベント概要
・すべての作品が名匠と呼ばれる脚本家の筆によるもの
・なかなか世に出ない名作・特異なキャラクターが
登場する映画ばかり
・映画を見た後は錚々たるゲストが解説。聞き逃せない
最新の開催情報↓
プロ目線の ”間違いなく面白い” であろう隠れた名作を、時を超えて鑑賞のうえに、プロの解説まで聞けてしまう素敵イベント!
◼️アテネ・フランセという施設
初めての場所で特に調べずに行ったので、当日建物をしっかり見ていなかった。後で調べたところ興味深いところが満載の施設だった。アテネ・フランセは、単なる建物名ではなく、元は学校組織に由来する名前で、1913 年に創立の神田区東京外国語学校。現存する日本最古のフランス語学校で多くの著名人を輩出。著名な受講生には(谷崎潤一郎、坂口安吾、中原中也、竹久琴二、岡鹿之助、江國香纖、etc.)がいる
アテネ・フランセは鈴木京香さん受賞で話題の
「吉阪隆正氏デザイン」
建物は、建築家ル・コルビュジエの弟子であった吉阪隆正氏が設計。1Fの図書室には吉阪デザインによる書棚もあるという。鈴木京香さんが買い取った住宅(吉阪隆正氏代表作「ヴィラ・クウ・クウ」)が、ちょうど建築学会文化賞受賞で話題になっていた。
↓このサイトを見て、建物を見るためだけに行ってもいいくらい見どころがあると知った。
イベント内のトーク編はこちら