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TL向けコラム:オタクスラング辞典2024

はじめに


 念の為に断っておくと、独断と偏見のもと、個人的な趣味で身内ノリを纏めただけの完全なる内輪ネタです。「界隈全般」で通用するものではありません。とりわけ見ず知らずの相手に対して用いるには、極めて失礼かつ不適切なフレーズがほとんどなので、見知らぬ方は絶対に真似をしないでください。真似した結果どうなっても責任は負いません。よろしくお願いします。


あ行


・相坂優歌 三種の神器
 声優・相坂優歌の楽曲の中でも特にオタ芸の火力が高いとされる「Anti geometry」、「impulse」、「シャドーロールの誓い」の三曲のこと。


・アストロ尺
 オタ芸のひとつ「アストロドライブ」に適した尺の楽曲のこと。
 特に著名な世界四大アストロ尺楽曲として「Astrogation」、「killy killy joker」、「starlog」、「climax jump」が挙げられる。


・〜のある朝
 ハッシュタグ(任意のイベント名)のある朝。イベント参加者による当日告知と参加表明を兼ねた雅なポスト。ここで言う「朝」とはオタクの起床時刻に準じるため、昼過ぎにも平気でポストされる。

・アフター
 いわゆるイベント後の打ち上げのこと。野外勢は基本的に車社会なので飲み会になるケースは絶無に等しい。

・イベ被り
 イベント日程が被ってしまうこと。特にコンセプトが近しいイベント同士の場合は互いの集客に影響するため、主催としては特に避けたいところだろう。不断の努力で日程調整されているが、IPライブの告知だけは如何ともし難い。

・えいね
 えいねぇ~と伸ばすことも。「いいね」が局所的に訛ったもの。汎く「良いと感じた」概念全てに用いられる。2024年現在における類義語は「デケェ」。

・えらい
 DJに対する褒め言葉。文脈上要求される繋ぎやラスサビに飛ぶ事で真価を発揮する楽曲がちゃんと意識されている場合などに用いられる。

・横転
 「よこてん」とも。予想外の選曲に横転。

・大慌てで飲酒
 ライブ終了後、取り急ぎ打ち上げること。特に慌てている様子は感じられない。

・オタ芸(表記揺れ→ヲタ芸)
 読んで字のごとく。野外で単にオタ芸という場合、代表的な地下芸「サンダースネイク→ロマンス」に適した四つ打ち楽曲を指す事がほとんど。

・「ヲタ芸は、もういい……」
 その日のイベントで満足いくまで暴れたオタクの鳴き声。次の日には元気にオタ芸をしている。

・乙打ち
 イベント終了後に参加者有志のオタ芸で締め括ること。お疲れ様打ち。選曲基準はその日流れた中で最も印象的だったものから。最近は離れたイベント同士、遠隔で乙打ちすることも。


・音圧
 一般には音の圧力、大きさ。会場によっては制限がかかる。一部のDJ界隈においてはある種の戦闘力のような概念として捉えられており、現地で本物を浴びるほど、自分が曲を流す際の音圧が上昇すると堅く信じられている。

か行


・顔付きになる
 直近に控えるライブやイベントに備えてマインドを整えること。すでにキマっている場合は単に「顔付き」とも。
 用例:「そろそろ蓮の顔付きになるか」
    訳:「蓮ノ空のライブに向けて予習するか」

・感動の肉と米
 主に愛知〜三重方面で展開される鉄板焼ハンバーグのチェーン店。白米を始め食べ放題の副菜が多く、概ね1000円前後で圧巻の高コスパを実現している。が、最近値上げした(泣)

・顔面
 オタクの顔。最近ではふとした弾みに紛失する事が多い。また都度、流行りのコンテンツの動向に応じて自在に変形する性質を持つ。

顔ない:深く恥じ入るさま

・カツゲン
 「活動限界」の略。北海道限定で販売されている乳飲料「ソフトカツゲン」で回復が試みられることも。

・#身体バキバキ範馬刃牙
 多動イベント翌日のコンディションを指すハッシュタグ。
 #合わせてバキバキ勇次郎

・関東打ち
 かんとううち。オタ芸の代表的な技である「サンダースネイク」のバリエーション。その名の通り、関東方面の打ちイベではこちらが主流とされる。

 通常のサンスネとの打ち分けに明確なルールは無いが、関西でもBPM130〜150前後の曲ではこの打ち方がメジャー。

・黒塗り楽曲
 主にはえちちなゲームの主題歌音源。版権管理がややこしく、セットリストでは伏せられていることから。shazamが拾わないこともしょっちゅうで現場でも難儀する。

・ゲイ(gei)
 「オタ芸」の略称。転じて、オタ芸に適した男性ボーカル楽曲の俗称。極めてセンシティブな響きに聞こえるかもしれないが特に他意はない。

・「お前、ゲイだろ!」
 「お前、芸だろ」。方言の一種で「あなたはオタ芸に精通したDJですね」の意。単に男性ボーカルのオタ芸曲を流したDJを指して言う場合も。極めて不適切な言い回しのように聞こえるかもしれないが、やはり不適切。あらぬ誤解を招く恐れがあるため、公共の場や身内に対して以外の使用は特に控えたい。……。

・ゲイマン
 オタ芸マンのこと。野外アニクラでオタ芸を打つ人全般を指す。とりわけ女性を指して言う場合には「女ゲイマン」とも。

・限界
 キツい、見るに堪えない痛々しさ。肉体的疲労がピークに達する事は→カツゲン を参照。

・高級イタリアン
 サイゼリヤのこと。デカ風呂からの高級イタリアンがアフターの基本。

さ行


・流石にこれ( ×流石にこれは ×これは流石に)
 ある出来事を受けてのリアクション、または気分。「これ」が具体的に何を指すのか明かされることはあまりない。
 用例:「昨日多動しすぎて流石にこれ」

・サンダースネイク
 略してサンスネとも。オタ芸の中でもっともオーソドックスな基本技であり、単に「この曲はオタ芸」と言われた場合は、この技とロマンスをセットで打つことが前提となる。
 技の発祥と名称の由来はライブハウス「サンダースネイク厚木」から。そのため不用意に表記揺れとしてサンダー”スネーク”を用いると、いずこからともなく鍵垢の引用リプライが付くことがあるため注意。

・3技(さんわざ)/サンワーザ
 オタ芸の尺のひとつ。サビの間にロマンス以外のオタ芸の技が三つ入る曲を指す。(「キズナミュージック♪」など)

 代表的な楽曲のひとつ、林原めぐみの「サンハーラ〜聖なる力〜」をもじって"サンワーザ"と呼ばれる場合も。(サンワーザ〜芸なる力〜)

・〜しかしたくない
 なにか快い事があった時、いつまでもその幸福が続いてほしいこと。
 用例:(チケット全通画面を見て)「これしか見たくない」

・"思想"
 一説には、選曲から垣間見えるDJ個人の強固なこだわり。たとえば有名なJ-POP楽曲を「敢えて」二次元アイドルのカバーバージョンで流したり、ユニット楽曲を推し声優のソロ歌唱で流すなど人によって様々。曲そのものが既に”思想”を帯びている場合も(”思想楽曲”)。個人的にはなんでもそつなく熟すフラットなタイプのDJが一瞬、これを覗かせた瞬間が萌え。

・「信じてるからな!」
 俺は信じてるからな。サビからラスサビに直接繋ぐことによってオタ芸の尺が伸びる一部の楽曲(「Divine Spell」など)が流れた際、DJに向かって信頼を試す挑戦の言葉。

 通常の尺想定ではサンスネ→ロマンスとなるところを、敢えてドラグーンスピアから打ち始めることで「ラスサビに飛んで3技になる」事を確信したアピールでブースを威圧する。当たり前だが飛ばない事も多々あり、その場合には次の曲のイントロまで打ち続ける往生際の悪い足掻きが見られることも。

 また信じすぎた結果、こうなるケースも。

・斜構(しゃかま)
 斜に構えること。オタクがアンセムで最前に行かない理由。非推奨。

・せきあずまだち
 →関東打ち を参照。

・それ/そり
 指示語のひとつ。流れた曲が”正解”だった時に発する。「お前それだよ!」

た行


・対戦
 オタクと現場で会うこと。そのままオタ芸で戦う場合も。

・対面打ち
 対面でオタ芸を打つこと。現場においては話しかけるよりもスタンダードなコミュニケーション手段。申し込む際にはひと言断りを入れ、終わった後には「対戦ありがとうございました」と会釈すると丁寧で好印象。

・耐えてない
 我慢が出来ていない、出来ないこと。転じて、限界な様子。
 用法:(女性声優がネットミームを擦ってる様子を見て)
 「やー、耐えてない」

・高まり
 気持ちが高揚していること。好きな楽曲で興奮している状態。横須賀市にある三笠公園にはオタクによって「高まりの丘」と名付けられた区画が存在する。

・高まりダッシュ
 高まった勢いで最前へとダッシュすること。あからさまに危ないので最近はレギュで規制されている事が多い。

・多動
 多く動くこと。オタ芸を打ちまくったり、ツーステを踏みまくるなどして活発になること。

・チェック! セット! あ〜ドロンっ
 「おつかれおつかれ〜」と続く、野外アニクラ流の一本締め。元は滋賀の野外特有の文化だったが、全国に波及した模様。

・千代丸楽曲
 コンポーザー、志倉千代丸氏が手掛ける楽曲。オタ芸としては2技尺が多いのが特徴。

・チ○毛
 男性ボーカル楽曲の俗称。特に強い曲は「アルティメットチ○毛ソング」と呼ばれる。

・ツーステ
 野外アニクラではオタ芸と並んでメジャーな「ツーステップ」と呼ばれるステップの一種。ロックフェス現場において、激しめのイントロが流れた時などに踏む。

・デカい/デケェ
 大きいの意。主には「現場でこの曲を回収出来たことの意義は大きい」というようなニュアンスで「デケェ~!」と評する。
 近年では「えいねぇ」から置き換わる形で、汎用性の高い褒め言葉として用いられており、オタクの身の回りの物が急激にスケールアップしている。そのため、うっかり日常でもコスパの良い飲食店などを指して「デケェ」と言ってしまい、同僚や友人から「なにがデカいの?」とマジレスされる社不エピソードが……。

・デカ風呂
 イベント終了後に行く最寄りの温泉施設のこと。オタ芸で暴れた後のこれを楽しみに野外に参加するオタクもいる。なお直前にシャワーを浴びたはずなのに、湯船いっぱいにオタクの垢が浮いていることがままある。オタク風呂入れ!

・「転調したぁー!」
 転調した事を報せるオタクの咆哮。オタクは曲途中の転調には気が付かないため、ほとんどの場合でそのままラスサビに飛んだことを意味する。直前の歌詞を言い直して転調した場合は「言い直し転調」と呼ばれる。

・"到達"
 多幸感の末に到達すること。「ドカ食いダイスキ! もちづきさん」で描かれる”至る”とほぼ同じ意味。

・ドカ
 ドカ食いなど「量が多い」「動作が急激で大量に行われる」という意味の接頭語。会場中が沸いたという意味で「ドカ沸き」がよく用いられる。近年の界隈では「ドカする」などといって名詞化の傾向にある。

・跳びポ
 跳びポイントのこと。曲中で思わずジャンプしたくなるような一瞬のブレイクを指す。イントロなどで連続して飛び跳ねる行為は「マサイ」と呼ばれ、明確に区別されている。特にラスサビの転調時に挟まるそれは「クソデカ跳びポ」と呼ばれることも。
 用例:「オー!リバルはラスサビ言い直し転調クソデカ跳びポ」

な行


・ナチュエン
 ナチュラルエンカウント。イベントとはまるで関係ないところでたまたまオタクと遭遇すること。
 用例:「地元でオタクとナチュエンして顔ない」
 訳:「地元でたまたま知人に出くわして気恥ずかしい」

・2技(にわざ)
 オタ芸の尺のひとつ。サビの間にロマンス以外のオタ芸の技がふたつ入る曲を指す。(「コンプレックス・イマージュ」など)。
 基本的にはサンダースネイク→ムラマサの構成。また、いわゆる特殊スネークの多くが2技尺に該当する。

は行


・破壊
 壊すこと、または壊されること。前者の場合は主にオタ芸で暴れる事によってイベント会場を破壊する(くらいの気持ちでいる事の意思表示)こと。
 後者は自らに思い入れの深い楽曲が流れるなどして情緒が不安定化する、またはオタ芸やツーステのやりすぎで筋肉痛になることを指す。

・歯茎
 オタクのそれは、特に意図した通りの出来事や嬉しいことがあった場合に剥き出しで渇く事が多い。

・バケモン
 化け物(monster)。なにを以てそのように定義するかは人によるが、選曲が刺さった場合に発せられる事が多い。この場合、曲をかけたDJに対しては「お前バケモンだろ!」などと、人として到底信じられないような言葉が最大級の賛辞として飛び交う。バケモンはお前や!

 また「デケェ」と同様、日常のあらゆるアドバンテージを「バケモン」と評し続けた結果、なにかを褒めるつもりでうっかり「バケモン過ぎるやろ」などと言って、周りから白眼視される本当の化け物が誕生してしまったことも……。

・ピンチケ
 元はアイドル界隈の用語で、学生向けのピンク色のチケットで入場して暴れる厄介を揶揄した言葉。野外では転じて、相場よりも安価な手段全般を指す。たとえば基本の移動手段として新幹線が想定される経路に対して、在来線の乗り継ぎで向かう事を「ピンチケ移動」などという。その他「ピンチケ飯」、「ピンチケ宿」などが頻出ワード。

・没入
 ”到達”に同じ。

・本日のBPM
 デカ風呂における下駄箱の番号のこと。余談も余談だが、映画「クレヨンしんちゃん 爆発!温泉わくわく大決戦」における騒動の原因もこれ。

ま行


・負けでいいです
 降参するのに素直に負けを認められない、カードゲーマーのみみっちいプライド。転じて、対戦したコンテンツライブが期待以上だった時に発する一言。

・模型/不模型
 OK。NGの場合は否定語が付いて不模型。とりわけ受け入れ難いことがあった時に「不模型すぎ」などと用いる。

や行


・「や、」
 文頭に付く。non。オタクのコミュニケーションはまず否定から入る。

・やれてる
 上手くやれている。期待以上のことが行われていること。
 用法:「今日のセトリは流石にやれてる」

・やれんのかー!
 比較的DJ歴が浅い身内に対する煽りのような激励。

・床になる/床
 特に思い入れの強い楽曲が流れた際のオタクの防衛反応。言葉の通り、床と一体化して地面を這い蹲る。床掃除とも。"思想"が強すぎた場合は床を越えて、曲が終わるまでその場から立ち去る事を余儀なくされる。

・よもだ
 四方田にある貸しスタジオ「スタジオよもだ」のこと。深夜にオタ芸の練習会がよく催されている。全裸オタ芸を始め独特の文化圏が構築されているらしく、界隈の常連は「ヨモディアン」と呼ばれる。

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