もしイベントがなくなったとしても。
6月コミティアの新刊として出そうとしていた本を、エアコミケの新刊扱いで5月に出すことにしました。
もともと、当初は5月コミケの新刊予定だったので、当初の発行予定に戻したことになります。(コミケは中止)
即売会イベントは非日常の空間です。
日本全国、ときには海外から趣味を同じくする人たちが集まり、この日のために用意した本を頒布しあう。
この日のために差し入れや手紙を用意し、美容院に行き、ネイルをして服を下ろす。
一度のハレの日のためには、地道な準備が必要です。
原稿はひたすらこつこつと地味に一人で行う作業です。一冊の長編を書くために必要な時間は数十時間以上に及びます。
その間ずっと、ただ一人そのお話を信じて作業をし続けるしかない。
それは地味で、孤独な作業です。
だからイベントがなくなって、本を出さなくなってしまったという声もよく聞きますし、気持ちはわかります。
更に現実的に言えば、通販のみではあまりたくさん紙の本を刷るわけにはいかなくなります。
イベントがないと、人は本を買わないのです。
そうなると部数や予算も考え直さないといけなくなっています。
そんなような事情があって気持ち的にもお財布的にも、今まではとにかくイベントに出る前提で新刊を準備し続けてきました。
ただ、イベントに出るつもりでいたからこそ、中止が続いて辛かった。
このあたりの気持ちは去年、下記のnoteにも書いたところです。
とはいえ小説本を出す活動は、飲食店などとは違い、緊急事態宣言下で営業を中止しないといけないという種類のものではありません。
紙の本だって、部数を減らせばものすごい赤字になるというほどでもありません。
この状況下で活動を続けていくためには、もはやイベントがあろうがなかろうが、関係ないというくらいのスタンスでいないと続けられないのかもな、と思いました。
これが今回、エアイベントで本を出すことにした理由の一つです。
世の中で何があっても淡々と自分のペースを守る、その方が一喜一憂しないで済む状況なのかもしれません。
私自身、GWに旅行もできないし大好きな映画館や美術館にも行けない、とうことになり落ち込んでいます。
そんな状況の方も多いと思うので、お家で楽しめる本がもし少しでも気晴らしになれば、というのも理由の一つです。
今回の5月でサークル活動6周年になるのですが、周囲には、変わらず新作を出しているのを見かけられる方もいれば、気が付くといなくなってしまった方もいます。
いなくなってしまう作者さん、更新されないpixiv、ツイートのないTwitterを見るのは切ないです。
私も最初は二次創作BLのみだったのがオリジナル主体になったり、百合も始めたり、このnoteのようなブログを書いたり、活動の形は変わってきています。
生活環境の変化や仕事の繁忙期は誰でも経験するものだと思います。
だから、ずっと今まで通りにいくかというと、難しいこともある。
でも、とにかく今は何とか続けていきたいと思います。
もしイベントがなくなったとしても、どんなふうに形を変えてでも。
新刊は通販及び電子書籍で入手可能なので、GWのおともによろしくお願いします。
紙の本↓
電子書籍↓
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