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甘い卵焼き

大学生ぶりにお弁当生活が始まった。
自分で毎日弁当を作るのは生まれて初めて。
晩ご飯を作りながらお弁当を詰めていると、母親のすごさを感じた。

実家のある青森は全てのものが甘い。
赤飯、茶碗蒸し、そして卵焼き。
母の作る甘い卵焼きがお弁当の具の中で一番好きだった。
ふんわりと柔らかくて、甘い甘い卵焼き。
でもいつしかその甘さが苦手になり、そぼろやほうれん草を入れてもらうようになった。
成長と共に味覚が変わったようだ。
寂しいような嬉しいような不思議な感覚だった。

実家を離れると自分で卵焼きを作る事なんてなかった。
今日お弁当を食べながら何故かその味がとても恋しくなった。
明日のお弁当に入れようかな。


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