Crispy!/スピッツ
こんばんは。
今回はこちら、1993年9月26日リリース、4枚目のフルアルバム
『Crispy!』
について。
まず、このアルバムのジャケ写のインディアンは草野さんです。この目はそうですね。
そして、実はこのアルバム、ポップな売れるアルバムを作ろうと、「売れ専」で作ったものなんですね。なんとか売れないとなー、と焦っていた頃だそうです。
01.クリスピー
軽快なイントロ!アルバム「Crispy!」幕開け!
このアルバムでは、初めてしっかりと管楽器が取り入れられています。(1992年ミニアルバム“オーロラになれなかった人のために”には取り入れられていますが、一旦別枠とします)
草野さんは「sp」の音が好きだそうです。「スピッツ」「クリスピー」「スピカ」好きな発音なんて考えたこともなかったですね。
「クリスピーはもらった〜♪」
を
「クリスティーはモダンガール♪」
と三輪テツヤ氏の友人が空耳したというこばなし。
02.夏が終わる
てーれれれれってってっててん♪
てーれれれれってってって
たーららちゃーたーらたーん♪〜
良イントロ。
詩人草野マサムネ。
サビが↓ですよ。半端ないですよ。
夏終盤に聴くことが義務付けられた一曲でした。
03.裸のままで
この曲が、いわゆる「売れ専」狙い。で、結果は芳しくなかったと…良い曲だから元気出して当時の草野さん…
“クリスピー”同様管楽器をふんだんに取り入れており、スピッツの曲の中でもわりかし異色なテンションの高さ。ギターもワウワウいってます。
なんかやっぱり歌詞が、何度読んでも難解でいて気づきがあるような、その時の受け手の状態で何にでもなるようなそれでいて頑固なような。それをこんなキャッチーなメロディに乗せちゃうあたりスピッツにしかできません。
イントロは管楽器主な感じなんですが、しっかりギターソロの尺も確保されています。歌えるソロです。ギターソロ前のベースソロも歌えます。
あと、MVがシュールでいいです。草野さん一生懸命踊ってます。
04.君が思い出になる前に
これは比較的、今の世のスピッツのイメージに近い曲だと思います。ゆったりテンポで切なめに歌い上げます。草野さんの美声をご堪能あれ。
05.ドルフィン・ラブ
これも“裸のままで”と同じくらい攻めてるんじゃないでしょうか。同じく、管楽器、ワウ、大量発生。Aメロのギターが小気味良くて、聴いてるとクセになります。ソロもいいです。
サビの『自由に泳げたらいいな』の、「い〜(裏声)い〜な〜(地声)」の歌い分け好きです。
今聴いてたら、音かなり多いのでビッグバンド編成でできる気がしますね。ボーカルをなんとかすれば。誰かやってみてください。
06.夢じゃない
交互にきますね。これはスピッツっぽいってやつですね。まっすぐ、「君」への愛を歌っております。
でもすぐ「いびつな」とか挟んじゃうあたりが草野節。「僕が君を守る」とはならない。「いびつな力で守りたいどこまでも」。守るぜ!とかかっこいいことは言えない。捉えようによってはナヨナヨしいですが、その機微が、スピッツの魅力。
07.君だけを
このタイプのギターの音好きです。コレはなんのギターか分かる方教えてください。
帰り道に聞きたいスピッツ楽曲、上位!!あと日が暮れてからね。そして1人で聴きましょう。
ありえないほど沁み込んできて、リアルに場面が浮かび上がってきます。
この曲の歌詞にこんなパワーワードがあります。
どうですか…大人のみなさん。
08.タイムトラベラー
(多分)コード進行、が気持ちいい曲です。メロディも聴いてて気持ちいいです。ギターリフと言っていいのか、イントロのててててーてーれーててててて♪というギターが裏で鳴ってますので、それも気持ちいいです。
サビはそこまで盛り上がるわけではないです。なので、明るい曲ってわけでもないです。パッと聴き明るいんだけど。好きな曲です。
09.多摩川
実はフルで聴くまでに時間がかかった曲。退屈な気がして飛ばしてしまっていたんですね。まあハマりたてなんてそんなものです。スピッツ沼にどっぷり浸かった頃には、こんな変わった曲も大好物に変わります。
イントロ〜1番は、多分エフェクトかけたギターだと思うんですけど(違う弦楽器とかじゃないよね)、ほぼそのアルペジオ一本と歌だけです。途中から荘厳めなオルガン?が足されます。
その後の間奏からドラムベースも入ります。
蒼白き多摩川に 思い浮かべて
10.黒い翼
イントロなしでいきなりきます。
草野さんの書く歌詞なので、やっぱり天使の白い翼とかじゃないんですね。黒い翼。
無限の空へ落ちてゆけ。空に落ちる。こんな文作っちゃう。でも歌われたら、なんとなく伝わってくるニュアンスがある。
サビが上の2行だけっていうのも潔いですよね。
音の面では、こちらはバイオリンなどのストリングスが目立ちます。それから珍しく、コーラス?パートがあります。教会とかそんな感じの荘厳さが、それによって付加されていると思います。
そして、大人数コーラスのまま、フェードアウトしてこのアルバムは終わります。
個性豊かな10曲をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。そろそろ売れなければ、と試行錯誤していたという時期。
またこのアルバムは、プロデューサーとして笹路正徳さんを招いて制作されたそう。この点でも、バンドにとって変化の一枚。
完成度の高いこのアルバム、是非聴いてみてください!!
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