「爬虫類の飼い方」の調べ方 Lv.2
閲覧ありがとうございます。
ミル・エスカマスと申します。
「MOLTIMG BASE」という屋号で、
・ペット飼育者向けの外構工事
・爬虫類の飼育、繁殖、販売
・動物専門学校講師
等をやってます。
環境エンリッチメントに重きを置いてサービス展開しています。
このnoteでは、爬虫類飼育という趣味の世界をちょっと変わった視点から書いていきます。
今回は、自分の飼っている爬虫類の飼い方を今一度考えるための、一つ上の検索テクニックをご紹介します。
飼育というものが、本来生息している野生から切り取っている以上、爬虫類の飼い方に正解なんてありませんが、明確な間違いは結構あるし、常により良く飼育するために試行錯誤の連続です。
特に飼育者の少ない爬虫類は名前で調べても情報が少ないので、今回紹介する方法を試して、今の飼育を見直してみてください。
検索方法を分かりやすく解説する為に、今回は最近久しぶりに入荷して話題になっている、
「アコンティアス」こと「サバンナダーツスキンク」を調べて行きます。
①「学名」をコピペして検索
「サバンナダーツスキンク 学名」で検索すると、ラテン語の名前が出てきます。
学名とは、生物の名前の世界共通の名前になっていますので、学名で検索する事で、世界中のアコンティアスの情報にアクセス出来ます。
日本語じゃない為、情報の検索には苦労するかもしれませんが、翻訳アプリをうまく使って野生の生態や世界の飼育者の情報が手に入りやすくなります。
②便利アプリ「iNaturalist」を活用しよう
野生生物の観察、記録の情報を、世界中の人と共有するアプリです。
このアプリでは、実際に発見された野生個体の情報が、細かく記録されています。
使い方としては、
見切り発車した結果、検索結果ゼロという事件が起こりました。
しかたが無いので、近縁種を見てみましょう。
同属の「Acontias orientalis」を見てみます。
次に、画面下から、発見された場所をマップで表示します。
ポートエリザベスという都市の周りで沢山発見されているようです。
これは、ポートエリザベス周辺にしか生息しないというよりは、ここに人口が密集しており、記録が取れやすいということと思われます。
実際、Acontias percivaliのほうは、元来タンザニアから輸入されていました。Acontias属自体は、分布域がそれなりに広そうです。
買う時には、今回入荷したアコンティアスが、どこから来たものかを聞く必要がありそうです。
とりあえず、Acontias orientalisの検索結果をもう少し確認します。
ここまで調べて、「よく分かってない生き物」であることが、よくわかりました!
ちょっと例題にするには、生き物が悪かったかもしれませんね。
ですが、ケージのセッティングをするならこうかな?というなんとはくの予測は立てられました。
・穴を掘って生活しているようだが、割と地表移動もしてそうなので、60らんちゅうくらいの浅くて広いケージを使う
・野生個体の写真や、都市の気候から、空気は準乾燥くらいで、床材は保湿できるものを厚めに。
・分布域の広さから、温度耐性は高そう。基本温度は25度以下くらいを狙いつつ、局所的にスポットを当てて、生体がどっちを選ぶか要観察。
もし飼育するなら、こんな感じでしょうか。
皆さんが飼っている生き物だと、どんな情報が出るでしょうか?
うちで飼っている生き物は、この方法で調べると、結構イメージがずれている事が分かって驚きます。
樹上棲の爬虫類なら、
・どれくらいの高さで
・どのくらいの太さの幹で
・どのような角度の場所で
など、流木選びからやり直すなんてことも。
あと、「乾燥地のトカゲ」と言われて、サラサラの砂漠を想像してると、結構違うなんてことがよくあります。
誰かのマニュアルと、自分の想像のベースがずれていると、言われた通りにセッティングしてもおかしなことになっているなんて事は結構ありますので、まず自然のイメージをしっかり頭にインプットするように努めましょう!