動物の専門学校講師として、多くの人に伝えたい本音
閲覧ありがとうございます。
ミル・エスカマスと申します。
事業所名「MOLTING BASE」として、エキゾチックアニマル飼育者向けサービスをマルチに提供しています。
このnoteでは、爬虫類飼育という趣味の世界をちょっと変わった視点から書いていきます。
4月になり、学生たちは新学期。新たなる生活に胸踊る時に、私の方も新しい仕事が始まりました。
去年の6月に「講師がしたい」と学校に電話し、目立った肩書きの無い私を受け入れてくださり、無事、4月から講師のお仕事を頂きました。
今年度、任せて頂いた授業が、
「ショップ経営理論」
「エキゾチックアニマル」
「両性爬虫類」
の3つ。
今回は、飛び込み営業をかけた私が、専門学校に認めて頂くに至った、
私が面接で語った想いと目的についての話を書いてみます。
・飼育の上達は、「覚える事」よりも「考える事」
エキゾチックアニマルの飼育には昔は情報が少なかった。その頃の飼育者達は、試行錯誤を繰り返し、図鑑や論文を読み漁り情報を獲得していました。
情報には、時間も手間もお金もかかり、とても「価値」がありました。
しかし、私が考えるに、すでに動物に関する情報には価値が無くなった。
人の飼育記録も、飼育方法も論文も、すべてネットで簡単に手に入ります。道具も充実し、多くの飼育者の飼育水準は上がってきていると考えます。
しかし、情報が用意に手に入るようになった事で、飼育者は増えたが「考える」能力が低下してきたと感じます。
生き物の飼育には、思いもよらない事が多くありますが、それに対応出来ない人を多く目にするようになりました。
それはもしかしたら、私の立場が昔と違うからかもしれませんが。
例えば、「お湯をわかす」という目的の為に、ヤカンに火をかけるという方法を実践している先駆者の姿を見て、ヤカンに火をかけているが、ヤカンに水を入れていない…という感じです。
簡単に手に入る情報が、目的を曇らせている。
大げさな言い方をすれば、
「情報社会で便利になったが、別に人類が賢くなったわけでは無い」
しかし、それさえ理解し、「考える」を実践すれば、今の若い人は、時間と手間とお金というハードルをスキップして急速に飼育能力があがるとも考えています。
情報に価値が無いのであれば、我々プロがプロとして差別化される価値というのは、「考える」能力と、情報の本質とそれをお客様にフィードバックできる「再現性」であると考えます。
・「飼育のプロ」が世界を変える
現在のペット業界の問題の一つに、飼い主のモラルの問題がありますが、その中には単なる知識不足も多いと考えています。
販売側が、飼育者の知識不足をもっと補う事が出来れば、不幸な動物も不幸な飼育者も減らせると思っています。
故に、必要なのは、「飼育のプロ」です。そして、それは最も飼育者と接触する可能性のある、「販売店員」がなるべきものであると思っています。
現在、飼育のプロを表す肩書きは存在しません。
学者様や研究員様は、環境のプロ。
ブリーダー様は、繁殖のプロ。
多くの飼育者の方に必要なのは、飼育の案内に特化した、「飼育のプロ」です。
「飼育のプロ」を育成する事は、業界の為であり、ひいては社会問題に大きく貢献することであると、私は考えています。
以上が、私が専門学校講師という仕事をしたいと考えた理由です。
もちろん本心です。
しかし、表立って学校には話さなかった、本音があります。
・本音
前述した通り、現在、「飼育のプロ」を名乗れる肩書きは存在しません。
私は、その第1号を目指しています。
しかしそれは、肩書きさえあればいいというものでは無いです。
きちんと理解し、お客様にも理解してもらうため、分かりやすく説明する。
知識も必要だし、コミュニケーション能力も必要です。
動物の専門学校で、生徒に説明をする事によって、私自身も、さらに知識を深める必要があるし、コミュニケーション能力を磨くための絶好の訓練となります。
さらに、目指すべき「飼育のプロ」としての方向性、理論が正しいか、再現性のあるものなのか、これを検証する絶好の場にもなります。
ここで自分の能力を研鑽し、日本初の「飼育のプロ」を本気で目指そうと思っています。
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