【入院日記】　「七週目　１０月３日」

　どのあたりから事態が変わってしまったのかわからないが、これまでは好調であったはずのものがいまでは逆転して悪い方へと向かっているような気分だ。そしてそれは体調以外のこともすべてにおいて悪い方向へ向かっている。

　とは言っても僕が悪いわけでもなく、当分の間歩行訓練は控え、腰に負担はかけない。座る姿勢を保つときはデイルームに移動。デイルームの椅子が座り続けるには楽である。次第にデイルームで過ごす時間が増えてきている。

　その理由の一つに近くの病室にいる狂った婆さんが日に日にうるさく、独り言や叫びは言うまでもなく、最近は何かを叩いて音まで立てる。それがデイルームにまで聞こえてくることもある。病室で寝ているときにそれが始まるとうるさくてたまらない。おとなしくしていることなどほとんどないの部屋自体が今とても居づらいのだ。そしてそれは昼夜問わずである。

　今日は妻が早めに来たので夕べ受けた説明について話をした。部屋がえも検討している。狂った婆さんがかなりストレスに感じる事もあってタイミングとしても今なのかも知れない。

　部屋に戻るとまだその婆さんの雄叫びが聞こえるのでデイルームに避難。夕飯後も同じように避難をする羽目になってしまった。

　今日は昨日よりもずっとデイルームにいる時間が長かった、おそらく明日はさらに長くなるのではないだろうか。安静にしていろと言われたのでほとんど歩かなかったが、夜になって腰がうっすらと痛むように感じられて来たので今日はできるだけ早く寝ることにする■

もう金木犀の時期なんだな

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