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【入院日記】 「救急病棟の夜(前)」

 手術翌日、昼食から食事ができるようになった。いよいよICUから病棟へ移動ができることになった。と言ってもそこでこれまでの整形病棟の個室に帰れるものだと思っていたからめでたい。前日に大手術をした患者を元の病室にまで戻すような病院などないだろう。バイタルのモニター、ドレーンなどの管がまだあちこち繋がっている。

 とりあえずICUという緊急性を要する場所にはいなくても良いが、それでもまだ集中的なケアが必要な患者は救急病棟へ移される。ひとまずまだ満床になっていない部屋に通され、いずれ患者が来た時は昼夜問わず来るという説明を受けて誰もいない大部屋へ移された。

 救急病棟は出入りも激しい、一般病棟と違って真夜中に人の出入りもある。そのため「昼夜問わず来る」という表現で説明されたのだと知るのはまだまだ先になってからの話。

 救急病棟は一般病棟と違い、基本スマホなどの通信デバイスは禁止。でも「みなさんこっそりLINEなどやってますよ」と最初の担当看護師が言っていた。これまでのようにラジオやSkypeなどはできないとしてもせめてfbやInstagramくらいは見たかった。

 しかし最初の病室引き上げの時に妻が充電ケーブルを持って帰ってしまい、充電もしてもらっていなかったのでスマホのバッテリー残量が少ない状態だった。音楽も聴けない、SNSも必要最低限という非常にストイックな生活がスタートする。

 昔はそんなものなくても問題なかったものなのに、情報を得る上でも常に利用しているSNS、それが使えないとなると落ち着かないものだ■


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