【詩作日記】 「The Third Layer / プロイセン」
天井桟敷のプロイセン
板階段の軋む音
太陽光に鞭打って
極彩色に憧れた
呼ばれもしないプロイセン
事荒立てゝ逃げ出した
饒舌過剰の宵闇に
銃声だけが冷やゝかで
夢の乙女のプロイセン
背中の傷に落とし文
誘拐のない百貨店
肩を並べて行き過ぎる
多層の批評プロイセン
朽ちて夢だけなお求め
毛玉がついた足の裏
横風なびく塔の上
「プロイセン」 詩集「The Third Layer」から 2005年初出