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【入院日記】 「痛い日々」

 手術から3日後に一般病棟に戻ってきた。救急病棟と違い、一般病棟は賑やかだ。ナースコールを使わずに大声を出して呼ぶ我慢もできない人が多く、時には認知症の人なのか、朝から真夜中まで叫び続けるような人もいる。最初の1週間くらいはそれに我慢が出来ずに大変だった。おまけにその頃と言ったら日に日に痛みが激しくなっていった頃でもある。

 しかし手術を終えて帰ってみればそんな雄叫びだのなんだのはあまり気にならなくなったような気がする。部屋では専ら音楽だのラジオを聴きながら安静にしている。

 痛みに関して言えば術後の新しい痛みも加わり、苦しいことには変わらない。ただ救急病棟にいた時に仰向け、右を下、左を下などの基本的な寝相の練習をしておいたので楽になれる姿勢は増えたとは思う。それでも痛い時は痛い。食後に飲む痛み止めもトアラセット、カロナール、ロキソプロフェンの3種類が出され、真夜中にはケトプロフェン坐薬もらっている有様。痛い日々はまだまだ続いている。

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 左を下にして寝られるようになったので、窓の外を眺めることができるようになった。他にもテレビが見られるようにもなったが、テレビの出番は数日に一回あるかないかという程度である。

 窓の外の眺めは良く知っている場所をちょっとだけ違う角度から見ているだけなのだが、自分には贅沢すぎる眺めだ。午前中は直射日光がさすので昼過ぎあたりからカーテンを開けてもらう。晴れていれば青い空が、曇っていると雲の様子がよく見える。そして暗くなってからはちょっとした夜景が楽しめる。

 方角は真東なので今週は十六夜から臥待ち月までを楽しむ事もできた。本当ならもっと別の場所で月を見たかったが、それでもまだ見られるだけありがたいのかも。

 窓の外が見られるようになっただけでもだいぶ違うだろうが、それでもまだ「痛い日々」は続く。すでに手術も終わっているからあとは快方に向かう事を期待しているが、手術だってまだ1週間も経たないくらい最近の事なのだから焦ってみても仕方がない。

 入院したのが金曜日なら、手術をしたのも金曜日だった。入院して3回目の金曜日を目前にし予定のちょうど半分が終わる。半分過ぎてもまだなお痛みからは解放されず、それどころか本当に半分なのかさえもまだ疑わしい。その間に本当に歩けなくなり、それどころか起きられなくなり、体から自由はなくなり、自分の思うようには動けなくなり、そんな状態からあと3週間で本当にある程度の回復などできるのだろうか。甚だ疑問で不安を感じる■

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