肢体不自由者の暮らし #2 ふるえる

(某HPに寄稿したものを加筆修正)

思い通りに動かない!

運動失調

私にあるこれを「超局所型縦揺れ(震度3)震源地」と呼んでいる。地震だから。

重さが加わったとき、
気持ちが高ぶったとき、
じっとしていたくても手は勝手にふるえ出す。

関節には「伸ばす筋肉」と「曲げる筋肉」があるらしい。肘や膝などを曲げるときは「曲げる筋肉」が頑張る。
しかし 「曲げる筋肉」のみが頑張るのではなく、「伸ばす筋肉」が力を抜く必要がある。
『2つの筋肉同士が協力し空気を読みあうことで、スムーズに曲げ伸ばしができる』のだそう。運動失調は、「その2つの筋肉が 『KY(空気を読
めない)』なんだよね」とのこと。


運動失調があると

まず、文字を書くときに手がふるえる
文字はぶるぶる。文字どころか、いつペンを放り投げてもおかしくない。
力を込めると運動失調は多少軽減するけど、それでも中身が入ったコップを持ち上げるだけで一苦労。
これ以上曲がらないくらいに関節を曲げる、もしくはこれ以上伸ばせないくらい伸ばすとふるえは治まるが、伸ばしたままだと水分補給は叶わない…。
そして皮肉なことに、 「服や机を汚したくないから、ふるえを止めなくては」と思うほど、ふるえは大きくなる。

水分補給だけで、 身体的にも精神的にも疲れてしまう。


そんな私の救世主「ストロー」


コップを 『持ち上げ』なくても口まで飲み物が届くって素晴らしい!
何も考えずに持ち上げてこぼすことも、
「揺らさないように」と考えて揺らすこともないって素晴らしい。

ストローは100均に売っている

マグカップ程度の大きさなら120本入りの「ミニストロー」で充分。
「細いほうが少ない力で吸える」から、
長さが足りなくても『ミニストローを繋ぎ合わせる』などの工夫したらいいかも。

また、 折り曲げたときの長い方を口にする方もいる。そのほうがかがむ距離が短くなるから楽なのだとか。


もっと「自由」に、もっと「自在」に

水分補給のたびに「ストローを1本ずつ取り出す」という行為。
 いちいちめんどくさい。
家で取り出したいとき、誤って袋を破り、床にバラバラと落とす、なんてことも。

背の高いグラスにひとつかみ入れておく

必要なとき 「そこから1本抜く」という考え。
これなら慌てて袋を破ることもなく、ストローを床にばらまく心配もない。
余裕があるときに落ち着いて補充することができる。

喫茶店やレストランへ行くとき。

冷たい飲み物を頼まないと、ストローはまずついてこない。
ホット飲料もストローで飲むことはできる。
プラスチックのストローなら、95℃くらいの熱では溶けない。

ちなみに私も猫舌だけど、
ストローでホット飲料を飲むことに対しては「慣れ」と「諦め」が物を言うと思う。


しかし、お店側にストローを頼むと「熱いのでやけどの危険が」と念を押されることが多い。
お店の立場としては釘をさす必要があるのだろうけど、自分でも重々承知しているから、
「そんなことわかっているから、早くください」と思ってしまう…


ストローを持ち運ぶことができたら

いちいちイライラせずに済むのでは?

ミニストローは、お弁当の箸ケースに入れて持ち運ぶことができる。
ちょうどいい大きさで衛生も保たれる。
10本近くいれられるから、旅行にも活用できる。

飲み物を注文しておいて箸ケースを取り出すと、 事情を知らない人からは「なぜ箸が必要なのか」と訊ねられるだろう。
「運動失調」 という厄介なものを知らない人は数多い。大多数の人にはないからね。
また、知っていても「通年アイス飲料しか飲めないだろう」と考える人はいる。

だからこそ、さりげなく微かに優越感を覚えられる。
ホット飲料を自前のストローで飲む。
気をつけて飲めば、ひどい火傷はしないはず。


今回は
「運動失調」と「ストローの有用性」について。
取り入れられる方は取り入れてみて

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