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変わりゆく季節とわたし

10代、そして20代前半の頃、夏が来るたびに
私はまるで太陽に呼び寄せられるかのように、
外へ飛び出していた。ワクワクが止まらなくて、
友達と夜遅くまで海辺で花火をしたり、夜風に吹かれながら遊び歩いたり。道の途中で大合唱してみたり。
あの頃の夏は、すべてがキラキラと輝いていた。

でも、時は流れて、40代の私。
いつの間にか、あのワクワク感は消えてしまった。
今は、光り輝く真夏の太陽がまるで敵のように感じることがある。溶け出すような暑さに、崩れていくメイク、
滝のように流れ出るベタつく汗。
気づけば、夏を楽しむどころか戦う相手にしている感がある自分がいる。

それでも、不思議と変わらないものがひとつだけある。
夏が終わり、秋へと季節が移り変わる瞬間に訪れる、
あの何とも言えない寂しさ。
何が私の心をざわつかせるのかはよくわからないけれど、いつもこの時期になると、胸の奥が少しだけ締め付けられるような感覚がある。

もしかすると、
夏が終わるということは、あの若かりし頃の「輝いていた時間」がまた一つ遠ざかっていくからかもしれない。
あの頃のように、太陽を浴びながら何も考えずに走り回る自分は、もうここにはいない。
けれど、今の私には、別のものがある。
季節の移り変わりを感じながら、自分自身の内面と向き合う時間。変わることを恐れるのではなく、その変化を受け入れて、今の自分を大切にすることができるようになった。

だから、
秋が来るたびにざわつく気持ちも、少しだけ愛おしい。
変わっていくのは悪いことじゃない。
季節が巡るように、私もまた新しい自分を見つけていく。そんな風に、これからも季節と一緒に歩んでいけたらいいな、と思う。


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