四十九日の不思議なできごと
2024年、年が明けてまだ間もない頃の話です。
その日は息子の四十九日でした。
当日の朝、準備が終わって
「さぁ、家を出よう」となったとき
あれ…
靴がない…
そう夫が言い出しました。
え?そんなはずないでしょ。
この前、葬儀で履いて帰って来たんだから。
下駄箱にあるでしょ?
と言いつつ、私が確認するも見当たりません。
そして、なぜか私の靴までなくなっていました。
それからはもうバタバタです。
葬儀の日は斎場から礼服のまま帰ってきたよね?
靴だけ履き替えた、なんてことないよね?
と、お互いの記憶をたどりながら探すも、なかなか見つかりません。
集合時間が30分後に迫る中、念のため斎場に確認してみましたが、
「靴のお忘れ物はないようです」
と残念なお返事。
事情を話し、30分遅れる旨を伝えて、礼服用の靴を急遽買いにいく羽目になりました。
法要の後、みんなで食事をしているときにそれを話すと
「犯人はリクだな」
と義兄がひとこと。
靴をくわえて、嬉しそうにしっぽをフリフリしているリクの姿を思い浮かべたら、なんだかほほえましくって。
もしかしたら息子が「行きたくない」って言ってるのかな…
と、ちょっと切ない気持ちになっていたので、義兄のひとことに私はすごく救われました。
おそらく、息子は指示役で、実行犯はリクだな。
満場一致で、それが答えになりました。
結局、夫と私の靴は今もまだ見つからず謎のまま。
葬儀の日は礼服を着たまま帰宅して、靴もわが家の玄関で脱いだので、なくなるはずはないんですけどね。
不思議なできごとが起こった、わが家のお話です。