鬼滅の刃。
随分と更新をご無沙汰している間に、鬼滅の刃を一気見しました。
アニメの26話分と、それに続く漫画を数巻。
仕事でもこの映画のヒットの凄さを実感する出来事があったりしたので、今更ながら見たのですが、案の定心打たれる作品でした。
最後まで読み切っていない段階であれこれ語るのは時期尚早かもしれませんが、
鮮度が落ちないうちに書き残しておきたくて。
私は、主人公の強さや優しさが、生まれ持ってのものじゃなく、悲しみや辛さを乗り越えた上での鍛え抜いたものであるところが、すごく好き。
元から特殊能力があって、元から強くて。そんなヒーローだって、もちろん素敵かもしれない。
でも、私は、炭治郎みたいな、へこたれそうになりながら強くなってきたヒーローの方が人間味があって好きだし、
もっと言えば、鬼だって、悲しみや辛さをうまく活かせなかっただけで、本当は人間と同じ心を持ったか弱い存在なんだってところに、すごくこの作品の良さを感じたんだよね。
強くて、器用で、美しくて。
そういう人って、何も知らない人から見たら、生まれ持ってそうであるかのように見られることが少なくはない。
私も、過去に、私が強くなるきっかけをくれた人に、
「あなたは天性のものがあるからそんなふうに強くて、誰からも嫌われないんだね」って言われたことがあって。
そんなんじゃない。
泣いて苦しんでもがいて、やっとの思いで今ここにいるのに。
それを人は、簡単にはわかってくれないという当時の悔しさを炭治郎に重ねて
勝手にすごく共感できたのが、私がこの作品にはまれた理由の一つだと思う。
あとは、ヒーローがひたすらに破壊するだけじゃないところ。
これは前にもアベンジャーズの感想で書いたんだけど、
ヒーローゆえのいわば武力を振りかざせば、何でも破壊していいというのは、個人的にはちょっと好きにはなれなくて。
その点、殺していく鬼の成仏を願う炭治郎の姿は、私の理想のヒーロー像ともいえる。
人間と鬼の戦い。
でもそれは、人間と「元人間」の戦いでもある。
鬼にも鬼の、ことによると人間以上の、積み重ねてきた苦しみがあって。
それでも、人間は大切なものを守るために鬼を殺さなきゃいけなくて。
心優しい炭治郎だからこそ、殺めていく辛さは人知れず大きいだろうけど
それでも、彼にとって守るべきものの存在が大きいからこそ
成し遂げ得たことなのだと思う。
それだけの思いで、思いだけで、全てに勝っていく炭治郎。
そんな風にブレずにまっすぐに、大切なものを守り抜いていく姿が
本当にかっこいい。
久々に心打たれる、素晴らしい作品に出会えました。
号泣必至なので、心が元気な時にご覧になることをお勧めします。