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泰日ハーフ〈ダブルリミテッドの子供が自覚なく社会人になってしまいました〉

最近どうしようかなと思ってることがある、
私のノートをめちゃいろんな人が読んでくれていることを承知で一言小言を吐きたい。
ほとんどの人がnote会員ではないため、更新されるたびに読んでくれるのはよろこばしいことだが、「すき」を押してくれたりはできないから人気の記事には浮上できない。
身内、前職・現職の人、友人・知人、ネットで知り合った人、家族によく「細心の記事読んだよ~」と言われるけど、SNSとして反応を得られてなかったら結局何にも結び付かないというか…、贅沢な悩みだが、やはり広く発信したいと思う身からすると逆に会員限定記事にしちゃった方がいいのかと悩んでいる。
意見が欲しい。(できればコメント欄で)

雑談はほどほどに今日の本筋に入るとしよう。

雑種、ダブルリミテッドかもしれん・・・

全く自覚なく生きてきた。
ダブルリミテッドの人って大変そうだなと他人事にしか思っていなかった。

ダブルリミテッドってなんぞや

雑種界隈の専門用語の一つに「ダブルリミテッド」という言葉がある。
雑種(ハーフ・クオーター・帰国子女またはその親)じゃない限り、親しみを持つ機会はあまりないだろう。

「ダブルリミテッド」とはずばり、複数国にルーツがある人に起こりやすい事象で、言語の発達状況にまつわる社会問題だ。
普段日常会話に問題がなくても、文字になると理解ができなくなったり、概念や感情の表現が文章でうまくできないとか様々なパターンがある。
日本でながらく教育をうけていたとしても、外国語を母国語とする親や親戚が独特な日本語を話したりすることによってそれを受け継ぎ、言語能力に支障がでることもある。

調べたところによると【NPO法人 にわとりの会】というところがダブルリミテッドの詳しい資料を作成していたのでこちらもチェックしてほしい。

ダブルリミテッドの人はよくいる

私の従姪(じゅうてつ)がまさにダブルリミテッドで、従姉妹がその子の教育方針に悩んでいた。
従姪はトルコと日本のダブル(雑種とはあえて言わない)で、トルコで言葉がほかの子供たちに対して覚えるのがかなり遅かった。
発達障害もその子の両親は疑っていたが、一旦日本の幼稚園で様子を見て、トルコ語の代わりに日本語の発育を試みてみた。
で、なぜか小学校に入るタイミングでトルコに帰った。理由はよくわからないが親が事象を知らないだけで典型的なダブルリミテッドに思えた。

もう一人ダブルリミテッドを見たことがある。
その人の両親は日本人だがアメリカで生まれ、グリーンカードを持つ親と一緒にアメリカ人としてアメリカに住んでいる。
彼は日本語での日常会話は両親とのコミュニケーションや日本のテレビ番組を見ているので堪能だが、漢字が全然書いたり読んだりがあまり得意ではない印象だった。一方母国語の英語も今でこそ不自由がなさそうだが、子供の時は言語発達が間に合わず小学校入学を1年か2年遅らせていた。

ダブルリミテッドはグローバルで開けた社会になったからこそ起きた新しい問題だ。

自分は関係ないと思っていたけど。

最近なんだか自分もダブルリミテッドなんじゃね?ってことが人生思い返すとありすぎる。この通り普通にタイピングできてるし会話もできる。
それでもここ6年間くらいで頻繁に言われ続けている一つのことに気づいた。

「メール文、下手じゃね?」と「LINEの文章の文法がやばい」

これをめちゃめちゃ言われてることに気づいた。
論文とかレポートは書けるし、私は漢検にも取り組んでいても字も書けるからこそ、「たまたまうまくいかなかった」くらいにしか思ってこなかった。

昨日、上長に「お前のメールは意味は同じでも熱がないんだよ」と言われた。そこで突然、偶然と思っていた文相にまつわる失敗のすべての点がつながってしまった。

_前々職ゲーム会社に勤めていた時も「メールになると敬語が下手、無機質」と上長に指摘されていた。その時の上司に「ELさんは日本語がそんなに得意じゃないんだと思うな。日本語をもっと勉強していろんな表現を身につけないと」と言われた。

_新卒の時、演出と監督に「ELさんは日本で育ったし、いい大学の文学部を出ていて日本語が完ぺきだと擬態できているし勘違いされてるだけで、本当は言葉のニュアンスの深読みまではできなくて、言語をただ言語として認識してるから変わってて面白いね。発達障害があるかもね」と言われた。

_大学のとき知り合った他校の人に「すまんが日本語表現が独特なのが、ELへの苦手意識を生んでいる」、また違う他校の人に「変わった文章を打つね、主語が最後に来てる。倒置法で話す人に初めて会った」と言われた。

自分の自覚的な体験談でいくと、私は国語が苦手だった。
てか、苦手なのは物語文だけだった。
先ほど言ったが漢字は並の人より書けた、(ちなみに化学式も並の人より書けることに後気づく。)漢文を読むのなんてゼミで一番うまかった、説明文や論文を読むのも好きだった。
でもどうしても物語文の点数は高くならなかった。
高校受験の時なんて最悪だ、物語文の配点が一番大きかったのに全問間違いしてしまい、数学や歴史でカバーもできず落ちた。
ちなみに私が漫画を一冊読めるようになったのは10歳をすぎてからで、その前は内容を理解できなかったし、文字を読むこと自体に抵抗があった。

あれ?もしかして・・・。

タイ語の方面の言語能力はというと

さきほど3つめの四角で、〈倒置法で話す〉というトピックがあったが、これはすでに克服してる。というかそうならないように意識しまくっている。
これは多分タイ語の「エーン」という主語の影響だ。
「エーン」は自分自身でって意味、英語ならmyselfか?
タイ語には少ないが主語が後ろにつく言葉があり、頻発はする。

前職の社長の息子が、タイと日本のハーフでその子もダブルリミテッドで社長が悩んでいた。日本語で「薬を飲む」という言葉があるがタイ語ではこのような表現はしない。薬は飲むものではなく食べるもの「ギンヤーク」だ。だから日本でも「薬を食べる」とその子は言う。これは一例で、この子の場合はタイ語を日本語のニュアンスに変えることなく直訳で話すことが常である。

やばい、辻褄があってきてしまった汗汗

私はタイ語をどのくらい話せるのかというと、本当に日常会話の低レベルなところしかできない。といってもタイ語教室に通おうとしたとき、教室では教えない高度な慣用句とかのニュアンスを理解していたりしていて、全然話せないのにチュラロンコン大学の作成したタイ語検定で2級相当の言語力だと言われた。そして同時に、「あなたにグループレッスンでタイ語を教えることができない。初級だとできすぎて馴染めない。中級の言葉で知らないものが多くて語彙力が低いし読み書きのレベルが低い。しかしタイ語に慣れ親しんでいて世界観を理解しているので上級で通用してしまう」とも言われた。

父親にダブルリミテッドについて聞いてみた

少し不安になった。
私がダブルリミテッド・・・・?いやいや普通に国語が苦手な人だろ?
でももし本当にダブルリミテッドなら周りの配慮がないとどこの国でもいきていけないのではないか。そんなことをここ3日間考えてしまっている。
やはり、私はハーフ(半分だけ)の中途半端でどっちつかずの人間にすぎないのではないか、と。

ぽろっと父に「ダブルリミテッドを知っているか」と昨晩の夜聞いてみた。
父はダブルリミテッドを知らなかった。
なので周りに実際にいたダブルリミテッドの話をした。
それを聞いたうえで父は、「どの家の子供でも頭の出来がいい子なんて簡単には生まれない。ましてやハーフだったり、海外で生まれた子供はバイリンガル、トリリンガルになるってみんなは思っているけど、そこまで賢く育つ子はそんなに見たことがないね。実際には言語能力は母国語が一つしかない子供に比べて下手になるはずだ。家庭環境や教育環境にまつわる根深い問題だから本人が勉強しても変わらないところがあるだろう」とコメントしてくれた。
そして告げる____________

「私は学生時代から今に至るまで、実はメール、チャット、物語文に全く自信がない。これからもうまくならない気がする。ダブルリミテッドかもしれない」
___

〈明かされる〉幼いころの自分が知らなかったこと

父は肯定した。
珍しい。父は私のことをそこまで肯定しない。
父がどう肯定したのか。

「お前は、文章の組み立てが苦手な子供でずっと心配してたんだ。周りの子と比べて明らかに発達が遅れていた。歩み寄れば理解できるけど、話し方も作文もぐちゃぐちゃだった。障害を疑って病院に連れていくか悩んでたことがあるよ」

そうだったんだ・・・・。

この言葉しか出てこなかった。薄々勘づいていたことが事実だと思い知らされて落胆した。

「でも、勉強に追いつけていそうだから大丈夫かなと思って連れて行かなかった。お前は論文を書いたり、本を読むのが好きだろう、だからなんともないと思ったが、そうか・・・やっぱり克服はしてなかったか。時々文章を書いて大学とかで褒められていただろう、だからもう俺よりもお前は賢いんだと思ってたよ。」

私はチャットでしゃべり方が変だからという理由で友達を失ったことが何度もあること、どの会社に行って何度教えてもらっても文章が変だと言われてきたこと、新卒の時上司に発達障害を疑われていて今もそうなんじゃないかと言われていることについて話した。
父は知らなかったと答えたが当然だ。はじめて打ち明けたことだし、自分も自分が本当に自他ともに認めるダブルリミテッドという周りの配慮無しに生きていけない人間だと知らなかった。(知っていたのかもしれない。ELの家族はみんな過保護だとよく言われていたし)
この文章を書いている時点で涙までは出ないが鼻水が止まらない笑

私はダブルリミテッド。知ったうえでの今後について。

今は正直ショックのほうが大きいが、向き合うしかない。
父は「仕事のことはとりあえず、意味が分かる文章が書けているならよかった。それでいいと思う問題ない。周りはだめだというから文章をチェックして直してくれているといった感じかもしれないけど、お前を馬鹿にしてるわけじゃない。個性だから気にする必要はない。もっともバイリンガルになるってのはハーフにも帰国子女にもなかなかできない」と励ましてくれた。

とはいえ、上司が私の文章を修正しながら言った「プロデューサーになるときがきて、メールを書くことができないと困るから教えている」という気持ちもわかる。でも上司の気持ち、いやその前の上司も、もっと前の上司の気持ちにもこたえられるか今は自信がない。
やるしかないとは知っているが、果たしてこの雑種が2文化をしっかり切り分けて物事を考え、文章におこすことが可能なのかという新しい課題のさしせまりに怯えている。

今の会社には、フランスと日本のハーフの方がいる。
私より社会人経験が長い人生の先輩だ。
社会に出てすぐは私と同じようにメールの文章をよく修正されてたと言っていた。精神的に苦しんだタイミングも前職ではあったけど、今の会社では能力を高く評価されていきいきと働いている(ように見える)。
彼女も自らハーフとしての葛藤を多く抱え込んでいるため、フランスとタイは全然違う国だけど私にとっては良き理解者でもあり、よく二人でランチに出かける。

なんていうかそう、彼女も大変なことがたくさんあって、生きにくい気持ちでいっぱいで今も乗り越えられていないこと、適応できないことはたくさんあると話を聞いていて感じるのだけど、彼女のようにメールを修正されないとか対人関係を誰からも監視されることなく任せてもらえるとかそんな風になりたいなと思う。

まとめ

私は雑種(混血)をテーマにnoteを書いていることが多い執筆者で、
今回は最近自覚した自分の一面、打ち明けて知った自分は知らないが家族や親せきがずっと懸念していた知恵遅れについて=「ダブルリミテッド」について書いた。
この頃はどんな事象にも適切な名前がついていて、それを研究している人がいるいい時代である。
「ダブルリミテッド」のほかに「セミリンガル」という言葉もある。
「セミリンガル」はどちらの言語も中途半端という様で、私はどちらかというと「ダブルリミテッド」だと思う、多分。
自分のもやもやに名前がつくと人間はホッとする生き物だとよく言われているけど、私の場合どこから正していけばいいのか、まいったな~ってのが今のところの所感だ。
今日は読者に向けて特別なメッセージはない。
私個人のダブルリミテッド自覚記念のnoteとする。

note内にダブルリミテッドについて取り上げている方が数名いたので、自分が拝読したものを最後に共有する。

今まで書いたnoteで最も長い作文になってしまった。
ここまで読んでくれた読者に感謝を申し上げる。

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