【難病指定患者の娘が書く】頑固親父の不養生について
父が再び過呼吸をおこし、救急車を呼んだ。
群馬県の嬬恋村。鬼押し出しが有名なところ。
(鬼押し出しを見たことないけど…)
前回の記事でドクターヘリに乗ったことを書いたばかりなのに、
次の記事がまた父の病院搬送騒ぎって…
父の病気との向き合い方について
父は肺気腫や肺高血圧症、ほかにも肺に持病を抱えていた。
昨年は肺結核にもかかった。
父は頑固な性格で医者や家族の意見を聞いたふりして、無視する。
今日もお医者さんが父にこれはしてはいけない、こういう迷惑のかけ方はよくないと丁寧に説教している場面に立ち会ったが、父は口では肯定しつつも一度もお医者さんと目を合わせなかった。私はつい「どこ見て返事してるのよ」と言ってしまったくらい。
父は日本国民で、難病指定の権利を持っているので、いかなる場所でも高度な医療をスムーズに受けられる。
前回は信州大学医学部付属病院、今回は群馬大学医学部付属病院。
どちらもその県が誇るナンバーワン病院だ。(違ったらごめんなさい)
超高額な高度な医療を受けた請求書は前回110万円。数日の入院で!?と目が飛び出る数字。この金額が難病の控除により8100円になった。
今回の群大病院のICUだって一泊13万円と聞いているがこれも大幅に抑えられるに違いない。
難病指定患者の無自覚な迷惑行動
難病指定されたことの恩恵を大変ありがたいことではあるが、東京に転院してすぐに主治医は父にこう訴えかけた。
「日本中の高度な医療を受ける権利があなたにはあります。しかし、医者の指導に従わない、家族のお願いも聞かない、薬を飲まない、酸素を気が向いた時しか吸引しないとなっては、難病指定の権利を付与し続ける説得材料がなくなってしまいますよ。あなたの勝手な行いで、(税金を使いまくって)日本中の高度な医療を貪り食うのようなことはやめてほしいです。」(内容うる覚えです)
私は難病指定制度がなんなのかはよくわかっていなかったが、先生の話を聞きながら〈これ、SNSで炎上する案件じゃん!うちの親って世間から見たら老害なんだろうな…〉なんて思っていた。
先生は続けてこういう
「Aさん(父の仮名)のような人が過ごしやすい社会を日本は提供できるようになってきました。AさんにはAさんらしく生きてほしいと思っています。しかし、それは私たちプロの意見を尊重した上でしか、もう成り立たない体だと、いい加減知ってほしいです。Aさんは医師の言葉を無視することで、自分らしい生き方を実現していると思っているのでしょうが、死にに行っているように見えません。こんなに僕たちが手を尽くしても、なんで死にに行っちゃうんだろうなって残念に思います。未然に防げたことはたくさんあるのに、いろいろな病院に迷惑かけて、家族を困らせて、そろそろ意識を変えないともう退院させてあげられません。頭を冷やすためにも残りの入院期間を使ってください。」
私としては先生の言葉に頷くところしかないのだが、父は大人に怒られた後の子供のように不貞腐れた様子。
根が不良少年だから、こうしろと言われるほど反抗したい生き物なんだろうなこの人は。
親戚との話し合い
父は自分の病気を「たいしたことない。標高が高くて少し酸欠だっただけ」「救急車は呼ばないで、入院したくないから」といった風に捉えている。
自分が死の一歩手前だと気付かないで生きれることはある意味でよいことだと後に主治医も言っていたが私もそう思う。
しかしながら父は次、倒れれば人工呼吸器での寝たきり生活になるだろう。今回もそうなりかけていたが、九死に一生を得てなんとかなった。
主治医の前では頷きつつ、父はいまだに酸素ボンベをつけないと言い張った。見た目が悪くて仕事を失うかもしれないからだという理由。
〈仕事を続けるという発想になぜなる・・・〉という感想しかわかない。
命より仕事が大事な仕事人間なのかというとそういうわけではない。
単純に、仕事をバリバリできるくらい自分は元気で今回も前回もたまたま体調不良になったくらいにしか思ってないのだ。
どうしたものか・・・先が思いやられる。
とりあえずムシャクシャして職場について最初に買うのを迷っていたiPhone16をぽちった。