ikenaga

中学校で働いたり,小学校で働いたりしています。

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マガジン

  • 理科教育・科学教育の読書会

    • 17本

    理科教育・科学教育に関する本の読書会をオンラインで行い、本の内容と議論したことを記事にまとめていきます。Science Education Book Club in Japan の活動の記録です。 Twitter: https://twitter.com/ScienceEducat10

最近の記事

2022年の算数科学習指導をふりかえる

はじめに 約1年ぶりの投稿になります。今年も僕は相変わらず講師として学校で働かせていただいておりますが,去年と違って,今年は「小学校」で「算数科」の指導を担当しておりました。 今まで理科の学習指導をメインに研究や実践を行ってきたので(大袈裟な表現で恐縮ですが),今年は何かとはじめてのことが多く,エキサイティングな毎日を送っておりました。 エキサイティングでめまぐるしい毎日の中での指導を通して,様々なことを発見したり疑問に思ったりしているのですが,それらは日々のタスクに埋も

    • 予備実験しなかったら授業でとんでもない失敗をした ~中1・水上置換法に関する授業にて~

      前置き本記事は、理科教育アドベントカレンダー2021の19日目の記事になります。この理科教育アドベントカレンダーでは、様々な立場の方が「授業実践の事例」、「授業外での理科教育(科学教育)に関する取り組み」、「今後の理科教育において必要になる研究領域」といった内容を紹介して下さっています。そんな中、「私も書きます」と参加してみたはいいものの、功績や経験も何もない私が一体どんな記事を書けるのかと考えてみると、もはや「こんな失敗しました」という失敗事例を書くほかないのではないかと思

      • 理科教育学を専攻していた学生(たぶんマイノリティ)が教育現場に出る際の「強み」と「弱み」

        こんにちは。私は、かつて理科教育学を専攻していた学生でした。「理科教育学」というのは、「よりよい理科授業を行うためにはどうすればよいか」みたいなことを考える学問です。こんなことを安易に言うと「違えよ」というお叱りの声が聞こえてきそうですが… 大学や大学院で理科教育学を専攻する学生は、おそらくめちゃくちゃマイノリティだと思います。全国の小・中・高等学校の理科の先生のうち、一体どれだけの方が、「理科教育学やってたよ」と手を挙げてくださるでしょうか。教育学部で理科教育コースだった

        • 雑文 生徒指導

          前回のnoteで、生徒指導について少し書きました。 講師として中学校の教育現場に出てから、たびたびこの「生徒指導」というものについて考えてしまいます。生徒指導って、一体何なんでしょうか。 理論における生徒指導上記のnoteでも述べたように、私は、はっきり言って「生徒指導」について何も知りません。ですが、教育現場に出てからあまりにも生徒指導がわからないので、夏休みに入り、学部生のときに講義のために購入したテキストを引っ張り出しました。八並(2010)によると、生徒指導の目的

        • 2022年の算数科学習指導をふりかえる

        • 予備実験しなかったら授業でとんでもない失敗をした ~中1・水上置換法に関する授業にて~

        • 理科教育学を専攻していた学生(たぶんマイノリティ)が教育現場に出る際の「強み」と「弱み」

        • 雑文 生徒指導

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        • 理科教育・科学教育の読書会
          17本

        記事

          雑文 1学期のふりかえり

          こんにちは。久しぶりにnoteを書いてみようと思います。 私は、今年からとある地方で常勤講師として、中学生に理科を教えています。昨年まではというと、私はとある地方の大学院生として、理科教育学というフィールドで研究をしていました。 学校が夏休みになったことや、この4連休も相まって、4月からの騒がしさや忙しさが嘘のように感じられます。このいささか平穏な時間を利用して、研究室と教育現場の違いという観点から、1学期のふりかえりを行いたいと思います。 「タスク」本記事における「タ

          雑文 1学期のふりかえり

          「みんなのわがまま入門」を読んで

          先日,ずっと気になっていた本を読み終えました。富永京子先生の『みんなのわがまま入門』という本です。 著者の富永京子先生は,立命館大学産業社会学部にて准教授をされていて,主に『社会運動』について研究されている研究者だそうです。 本書を知ったきっかけは,Twitterでした。私は現在,Twitterで研究用アカウント(もはや研究でも何でもないこともつぶやいていますが…)を稼働させているのですが,そこで富永京子先生のアカウントをみつけました。最初は「何かおもしろいこと言ってる研

          「みんなのわがまま入門」を読んで

          理科とブルーナーの発見学習

          こんにちは。今回この記事は,Sciense Education Book Club in Japanの活動の一環として,オンライン読書会で読んだ本の内容と参加者による議論をまとめたものです。ブッククラブでは現在,3冊目の Science Education in Theory and Practice: An Introductory Guide to Learning Theory を読み進めています。 私はこの読書会にて,対象本のchapter 13,” Discove

          理科とブルーナーの発見学習

          書を持ち理科教育を始めよう

          こんにちは。今回この記事は,理科教育アドベントカレンダー2020の企画の1つとして,12/12担当の私が書かせていただいたものです。 思い切ってアドベントカレンダーに参加させていただいたものの,大学院生の私が何を書くべきか正直迷いました…一度は自分の研究テーマについて書こうと思ったのですが,書いていくうちに心の中のリトルikenagaが「長いしわかりにくいのにこれを載せるのか?」とパワハラをしだして苦しくなったので,他に私が書けそうなこととして,理科教育の勉強・研究をはじめ

          書を持ち理科教育を始めよう

          暗黙知と理科

           こんにちは。今回は暗黙知に関する記事となっています。暗黙知とは,読んで字のごとく暗黙のうちに知っていること,すなわち言葉では直接表現できない知識を指します。ではそんな暗黙知は,理科とどのように関わっているのでしょうか。  今回この記事は,Science Education Book Club in Japanの活動の一環として,オンライン読書会で読んだ本の内容と参加者による議論をまとめたものです。2020年の2冊目の本は,“Science Education An Int

          暗黙知と理科

          「科学の本質」って何? その2:科学の本質の具体的なトピック

           こんにちは。本記事は,前回の『「科学の本質」って何? その1:理科教育におけるその重要性』の続きとなっています。  今回この記事は,Science Education Book Club in Japanの活動の一環として,オンライン読書会で読んだ本の内容と参加者による議論をまとめたものです。2020年の2冊目の本は,“Science Education An International Course Companion”を読み進めています。  私はこの読書会にて,対象

          「科学の本質」って何? その2:科学の本質の具体的なトピック

          「科学の本質」って何? その1:理科教育におけるその重要性

           こんにちは。突然ですが,みなさんは「科学の本質」,あるいは“Nature of Science(NOS)”という言葉を聞いたことがあるでしょうか。この科学の本質は,日本ではまだまだマイナーかもしれませんが,実は今後とても重要になってくるであろう教育内容なのです。今回はそんな科学の本質(以下,科学の本質に統一して表記します)に関する記事となっています。  今回この記事は,Science Education Book Club in Japanの活動の一環として,オンライン読

          「科学の本質」って何? その1:理科教育におけるその重要性

          教師の「理科に対する価値観」

           はじめまして。私は理科教育学を専攻している大学院生で,現在の研究は,科学的思考力の1つである仮説設定能力を中心に,理科の地球領域で,地球領域ならではの仮説設定能力(地球領域固有の仮説設定能力)を育成しよう,というようなことをやっております。  今回この記事は,,Science Education Book Club in Japanの活動の一環として,オンライン読書会で読んだ本の内容と参加者による議論をまとめたものです。2020年の1冊目の本は,「Values in Sc

          教師の「理科に対する価値観」