スタートアゲインなんてクソ喰らえである
まあなんだ、物を書くのが好きでさ、バズフィードだったりハフポストだったり、もう名前も忘れた媒体だったりと文字を並べることで生計の一部を成り立ててたワケだが、そんな私はもうどこかへいってしまった。
「4+8」ができなくて、継父と出かける車の中でひたすら「4+8は?」を毎秒と言っても過言ではないぐらい聞かれ続ける時間は地獄だった。「12、12、12、、」と上の空でこたえていると「8+4は?」とすり替えてくる。突然の出来事に「は、、はち?」となると、継父は喜ぶように言うのだ「ほーらね、できないよね。4+8はできるのに、8+4はわからないんだよね。それは4+8もわかってないってことだよ。ほんとだめだよね」
背景に、私は数学的な概念が理解できないというのがある。そして、ADHDもある。「文字は並べると意味が生まれるのに、数字が並んでも意味がないから、どう理解すればいいのかわからない」周囲が自然と「1、2、3、4、5、6、、」と数えているのを見ながら「なんで1の次は2で、2の次は3なの…なんでみんなスラスラ言えるのだ!」と疑問に感じていた。というか、いまだに疑問に感じてる。
ADHDなので、もちろん物覚えは悪いし、注意が散漫になってしまう、文章を書くのが好きでも、細かいところに注意が払えないから誤字脱字が多いし、いくら「読み返せ、一文字ずつ確認しろ」と言われたところでミスを発見して修正することなんてできない。バスフィードにいた時期、過去一これが大きな障害になって、結果重めの円形脱毛症になって、ほとんど髪の毛なくなった。そして辞めた。
でも、ADHDは気に入ってんのよ。この前なんてマウントレーニア飲みながら仕事してたはずが、ふと気づいたときに手元にないわけよね。「あれー、、空っぽになったから捨てなのかな」と思って、そのまま仕事して3時間ぐらい経ったころにさ、外出て戻ったら下駄箱の上にマウントレーニアが鎮座してるわけ。どゆこと?部下に聞けば「デスクから立ち上がったと思ったら、下駄箱にいってマウントレーニアを置いて靴を取り出して、『あれどこに行くんだっけ』と言ってデスクに戻った」らしい。
あとはネットでずっと欲しかったブーツ注文したのに、届いたら違うのだった。それを部下に笑い話としてLINEしたら「ネットショッピング下手くそ芸人!」と言われたよ。
私の生活は愉快で爽快、珍現象フェスタ!それはADHDと笑ってくれる周囲の人のおかげ。
学生生活もハゲたバズフィードでの生活も心底辛かったけど、私は私でいられたことは誇れることだった。「とりあえず被弾して美しく死ぬ、そして忘れた頃に生き返る」そう思って、不登校にもならなかったし、退職代行を使ったり、無断欠勤はせず、自分で決めた終わりの日まで被弾し続けた。
これを根性と呼ぶべきではないと私は考えるので、忍耐と表現するけど、この忍耐力は継父による「4+8地獄」の成果かと思う。ちょっと前まで思い出したくもないメモリーだったけど、最近ちょっと「あれがあってのコレか」と思えるようになった。
人生こういうことの繰り返しだよね。
「やったるで」「負けへんで」「もう死にてえな」「あとちょっと」「お腹がすいた」「ねむい」「やっぱ、無理」「もう無理」「消えたい」「いやでも、やったるで」「いうて、無理、、」「あとちょっとやってみるか」
毎日、いや、毎分毎秒のように脳内で精神的なスクラップアンドビルドってる。私は毎日のように「4+8」ができなくて「私は本当にダメな人間なんだ」と小さくしょげている自分に苛まれてる。でも、「大丈夫」「電卓あるし、ググれば大体OKだから」と頭を撫でてる。その度私はマウントレーニアを飲んで「あめえ、、私、自分で自分のご機嫌とってる。えらい。私ってえらいー!!」と自分大好きモードをONにする。
毎時間、毎分、毎秒、いっちょやったるでとスタートアゲインしてる。もういい加減、バルカン星人にしてくれよ?と思うぐらい感情的な人間なのでね。スタートアゲインなんて言葉がイヤになるぐらいスタートアゲインしてるンです。明日は明日の風が吹くからね、全部に中指立てて私は生きるよ。なんでもできる人間だもん。4+8も、8+4も、12!!もう言えるしね。いつかまた文字を並べて生計立てます。できる女だからね。やったるで