脳科学者の端くれの失敗の記録
失敗の記録の公開
最近二光子顕微鏡 (two-photon microscope, 以下2P) を使い始めました。
共焦点顕微鏡やライトシート顕微鏡は割と使い慣れているのですが、2Pを使った実験はまだまだなれません。数か月かかる実験で、なかなか成果が出ないのは、わかっていてもやはり心が折れます。
サイエンスで一番もどかしく思うのは、表に出ている情報の多くは成功例で、失敗例についての情報が少ないことです。(再現性については言わずもがな)
多くのメンバーがいるチームや、周りにたくさん聞ける人がいる場合はいいのですが、必ずしもそうとは限りません。
実験に関しては、私は個人的には"とにかく成功例をきちんと学ぶ"のはその手技の取得にとても重要だと思っています。
個人的に思う、新しいスキル取得の一番の近道
チームで確立されているプロトコルがあれば手に入れる。他のチームでももらえることもある。
正しい(少なくともうまくいっている)やり方を見る。鬼のようにメモを取る。
自分でやってみる(できれば教えてくれた人に見てもらい、気づいた事を言ってもらう)
上達するまで繰り返す、機会があれば他の人のやり方を見る。
なかなか上達しない時(焦りは禁物、場数は必要。ただ、時間も大事なので何度かチャレンジして壁を感じるときはヘルプが必要)、教えてくれた人や同じようなことをしている人に聞く。うまくいかない原因を知るのは改善に必須。
繰り返しになりますが、1,2, 5については必ずしも可能ではないです。
人数の多いチームや、学生主体のチームでは面倒を見る体制ができているのでフォローも期待できますが、なかなかそう行かないことが多いです。
ラボによっては他のチームに情報をシェアするのを好まないこともあります。
ただ、最近はわりと協力が普通になっている気がします。
私はサイエンスは競争ではなく相互協力と考えているので、少なくても他の人に聞かれたらスキルについては喜んで教えます。
既存のプロトコルがない場合は論文から起こしてみる。(ステップを箇条書きにする)
最近では多くの研究者がYouTubeなどでもシェアしているので色々な人のコツを見るのに重宝します。JOVEも良いです。
また、聞ける人がいない場合はオンラインフォーラムなども有用です。
でも一人でやらなきゃいけない時って・・・
それでも、答えがわからないことって、結構ある。
そもそも正解・成功なのか、失敗なのか、どれくらい成功に近いのか、そもそもそれすらわからないことがあるのがソロのとき。
自分の記録のためにも、失敗を記録していきたいと思う。
正直、恥ずかしいです。
でも、初めての時って、思いもよらないミスとか、たくさんあって
私は本当にたくさん時間を費やしていて、悔しいのです。
論文にはないような、本当に知りたい所・・・
もし、一人でも役に立てれば嬉しいです。
因みにラボのために英語で元々書いているので、そちらも公開するかもしれません。
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