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review is a diary

音楽に関するテキストを書きます。最低週1本で更新していけたらと思っています。インタビューを沢山公開した月はレビューやコラムの更新少ないかもなので、多めに見てもらえるとうれしいです…
ここでしか読めないレビューやコラム、濃密かつボリューム満点のインタビュー多数。コラムでも長いものは…
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#ブラジル音楽

Jazz The New Chapterオススメ来日公演リスト 2025 - 2026年

Jazz The New Chapter読者にお勧めの来日公演です。 好きなアーティストの来日がある方、気になる来日を見つけた方、ぜひSNSでシェアしていただけると嬉しいです。 ■2025年6月◉スナーキー・パピー  6/4 Zepp Shinjuku   6/5 UMEDA CLUB QUATTRO ◉コリー・ウォン

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interview Esperanza Spalding:ミルトン・ナシメント、仏教、そして、脱植民地主義

エスペランサ・スポルディングが音楽シーンにおける、というか、少なくともアメリカのカルチャーにおいて最高の才能のひとりであることは否定のしようがないだろう。そんなエスペランサがミルトン・ナシメントとの共演作を発表した際に幸運にも取材することができた。以下のRolling Stone Japanの記事でそれを読むことができる。 短い時間だったが、ミルトン・ナシメントとのエピソードだけではなく、ウェイン・ショーターとの関係、アマゾンの先住民の権利を侵害する法律の制定に反対する曲を

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interview Davi Fonseca:ミナスで生まれた"脱植民地化を目指すブラジル独自の音楽"

ブラジルのミナス地方を核にした音楽コミュニティはアントニオ・ロウレイロやハファエル・マルチニらの登場により21世紀に入っても面白い場所であり続けている。 彼らの面白さはクラシック音楽を基盤にした高い水準の演奏技術や作編曲能力に加え、現代のジャズをはじめとしたグローバルなサウンドをも消化していること、そして、ブラジル由来の音楽要素を丁寧に織り込んでいること。世界的な流れとも共振しつつ、同時にブラジルでしか生まれえない側面も強く感じさせる。そのあり方はまさに彼らの先人でもあるミ

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column is a diary:ミルトン・ナシメント & エスペランサ・スポルディング - Milton + esperanza(11,000字)

エスペランサ・スポルディングとミルトン・ナシメントの共作を聴いたときに僕は「バランスがいい」と思った。 つまり、よく考えられているアルバムだと思った。インタビューで何度聞いてもその辺の意図に関してはエスペランサは話してくれなかったが、深く考えてやったのだろうし、深く考えて様々なプランをたてて臨んだが、81歳のミルトンからダメ出しもされたし、変更も余儀なくされたのではないかと思う。随分ラフな仕上がりになっている曲もあるし、エスペランサっぽくないところも沢山あるのはそんな現場の

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interview Antonio Loureiro:エレクトロニカ、アマゾン先住民、北東部のダンス音楽などの影響を反映する初期2作

2010年ごろ、アントニオ・ロウレイロという才能が発見されたときのことはよく覚えている。2010年に1stを高橋健太郎が紹介したことで彼のことが日本でも知られるようになったのだが、僕が聴き始めたのはセカンドアルバムの『So』からだった。 ブラジルのミルトン・ナシメント周辺コミュニティのサウンドに通じるもの、もしくは当時日本で話題になっていたアルゼンチンの新しい世代によるフォルクローレの作品群とも共通するものを感じただけでなく、2000年以降のアメリカのジャズを思わせる作編曲

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interview Lourenco Rebetez:レチエレスの音楽ではオーケストラの中でリズムが爆発するように多くの音と交わる

僕がブラジルの音楽の中でもアフロブラジレイロの音楽へ関心を強く持ったきっかけは、2016年にロウレンソ・ヘベッチスという作曲家でギタリストが発表したアルバム『O Corpo de Dentro』だった。 ギタリストとしてはカート・ローゼンウィンケル以降の現代ジャズのスタイルもあれば、アイザイア・シャーキー的なネオソウルのギターも聴こえていた。つまり、2010年代におけるギタリストの必修科目と言えるスタイルを兼ね備えていると感じられた。また作曲の面ではギター・カルテットを核に

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2023 023:アマーロ・フレイタスを観た(3,600字)

立川ステージガーデンと渋谷WWWで行われたFruezinhoで観たアマーロ・フレイタスが素晴らしかった。

Interview Xenia França:アフロブラジレイロとしての誇り、ステレオタイプからの超克を込めたスピリチュアルな傑作を語る

シェニア・フランサの1作目『Xenia』は鮮烈だった。ロバート・グラスパーやホセ・ジェイムズに端を発し、そこに追随するかのようにハイエイタス・カイヨーテやジ・インターネット、ムーンチャイルドらがジャズ×ネオソウルの再解釈を行っていた2010年代。ブラジルの北東部、アフリカ系ブラジル人=アフロブラジレイロの人口がブラジルで最も多く、その文化の中にもアフリカ系の影響が色濃く残っているバイーア州に生まれたシェニア・フランサは、そんなジャズ×ネオソウルの流れにアフロブラジレイロの音楽

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Jazz The New Chapterオススメ来日公演リスト 2023 - 2024年

JTNC読者にお勧めの来日公演です。 好きなアーティストの来日がある方、気になる来日を見つけた方、ぜひSNSでシェアしていただけると嬉しいです。 ■2024年3月◉ウィルコ  3/7 ゼップ羽田  3/8 難波ハッチ ■2024年2月◉ミシェル・ンデゲオチェロ  2/12 - 2/13 ビルボード 東京 ◉ユセフ・デイズ  2/23 - 2/25 ブルーノート東京 ■2024年1月◉ギャビ・アルトマン  1/10 - 1/11 ブルーノート東京 ◉ドミ &

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interview Pedro Martins & Antonio Loureiro:Talks about 『Caipi』Jazz The New Chapter 4 OutTakes

カート・ローゼンウィンケルにインタビューした時に、「次のアルバム『Caipi』にはペドロ・マルチンスとアントニオ・ロウレイロというブラジルの若いミュージシャンが参加している」という話を聞いた。立ち話してる時にカートは「なんでアントニオやペドロをすでに知ってるの?」という感じだったが、僕の友人の音楽評論家がアントニオの1stを発見したんだというような話をしたりした。 あとから、ペドロ・マルチンスのアルバム『SONHANDO ALTO』を聞いて驚いた。ディスクユニオンのサイトに

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Review:Kurt Rosenwinkel - Caipi:メロディーと演奏がコネクトするカートの脳内で鳴っていた理想のサウンド

現代ジャズ最重要ギタリスト、カート・ローゼンウィンケルの新作はこれまでの彼のコンテクストとは少し異なる異色作だ。ペドロ・マルチンスとアントニオ・ロウレイロというブラジルの新星や、マーク・ターナーやベン・ストリートといった旧知の仲間、更にはエリック・クラプトンなどがクレジットされてはいるものの、ほとんどの楽器をカート自身で演奏し、自ら丹念に重ねた多重録音で生み出した架空のバンドサウンドだ。 僕はこれを最高傑作だと言い切ってしまうことに躊躇はしない。『Remdy』でコンテンポラ

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interview Kurt Rosenwinkel - Caipi:Jazz The New Chapter 4 OutTake

2013年の11月にカート・ローゼンウィンケルがバッド・プラスと来日公演を行った時のことだ。カートとバッドプラスのインタビューの司会をして、帰ろうとしていたら、カートがギターショップにギターを観に行くから、一緒に来てもいいよってことになって、ついていった。なぜか移動は電車だったので、カートと電車に乗って、雑談しながら移動をした。その時に、「今、3枚のアルバムを作っている。そのうちの最初に出るのはブラジル音楽のアルバムだと思う。タイトルは『Caipi』だよ」って教えてくれて、「

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